【文スト】噂の野良猫娘 ７

【違和感】何時もの朝 ページ23

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国木田Side



予定通りの出勤時間に事務所へ到着した。

朝の書類整理を終え、ふと時計を見て、俺は溜息を吐いた。





「はぁ……またか」





そう呟いて俺は立ち上がり、ドアノブに手を掛けた。

そこでピタリと足が止まる。









「……ん？」









俺は今、何をしようとした？



何処かへ出掛ける予定でもあったか？



それに「また」とは何だ？



もう一度時計を見て、手帳を開いて今日の予定を確認する。



特にこれと云って予定はない。



だが、「何かをしなければ」と思って事務所を出ようとした。

それは確かだ。





では俺は、何処へ向かおうとした？









その時、事務所のドアが開いた。





――ねむぅ〜……おはよ、国木田さん。





一瞬、頭の中で眠そうな声が聞こえた。



と、次の瞬間、ドアの角が額に激突した。





「ぐっ！」



「えぇっ！？ く、国木田さんっ！？」





出勤して来た谷崎が慌てて俺を呼ぶ。

額を押さえて痛みに耐える。





「た、谷崎か……」



「すすすみませんっ！ 真逆こんな近くに居るだなんてっ！」



「いや、俺もぼぅっとしていた」



「大丈夫ですか？」



「あぁ……」





結局、俺はそのまま自分の席に戻り、仕事を始めた。









だが、あの時。





一瞬聞こえたあの声。





……一体、誰の声だ(・・・・)？



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