【文スト】作家先生、飛ぶ。

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「初対面の彼女に、こうもあっさり解かれるなんて……」



乱歩に持って来たものを、初対面のAに解決されて落ち込んでいるようだ。



「我輩、まだまだである……今日の所は失礼するである」



立ち上がったポオは、ふらふらと事務所を出ようとする。





『あ、あああの！ ま、待ってくださいっ！』





それを止めたのはAだった。



床に落ちていた本を抱えてポオの前まで近付く。

Aが近付き、一瞬ポオは身構える。



対してAも、初対面の異性だからか、目の前に来てから人見知りが発動している様子。



『こ、これって、貴方が書かれたのですか？

　あの、是非お名前を教えてください！ わ、私は百目鬼Aと申しますっ！』



「……わ、我輩はポオ……エドガー・アラン・ポオである」



ぼそぼそっと自分の名を名乗る。



すると、名前を聞いた途端、Aは息を飲んだ。





『も、もしかして……六年前、乱歩君と推理対決をした方ですかっ！？』





声が上擦って高揚しながら云った。





「わ、我輩を知っているのであるか？」



『私仕事柄、乱歩君が解決した事件の話を聞いていまして、その時にポオさんのお名前を伺いました』





噂の本人に出会えて、Aのテンションは暴騰した。



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