【文スト】噂の野良猫娘 ４

マジで泣くぞ ページ32

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「さて、エリスちゃんの洋服が決まった事だし、そろそろ話を始めようかね」



さっきまでのデレデレした顔が消えて、ニッコリ笑顔が此方に向けられた。

その表情を見て、ウチは一瞬怯む。



「中也君は下がって良いよ」

「はい、失礼します」



帽子さんは一礼してドアの方へ歩いて行く。



『お邪魔しましたぁ』

「手前は残るんだよっ！」

『ぎゃー』



ドアを開けた帽子さんの後ろに続いて部屋を出ようとしたけど、駄目だった。

ウチはガシッと帽子さんの外套を掴んで小声で訴える。



『ねぇお願いだから行かないで！ 首領の人と二人切りとか無理！ 寂しくて死んじゃうよウチ』

「んな事で死なねぇよ！ つか引っ張んな、皺になる」

『いやホントマジで無理だよ。何かお腹痛くなって来たから医務室行く』

「おや大丈夫かい？ 何なら私が診てあげようか？」

『いえっ大丈夫ですっ』



ちゃっかり首領の人も会話に混ざって来た。

慌てて手を振って全力で拒否する。



「では、俺はこれで」

『あぁぁっ帽子さぁぁんっ！』



ウチの叫びも虚しく、ドアが閉まって帽子さんが行ってしまった。

マジで泣くぞ。



「そこの椅子に掛け給え」

『……』



こっちに来る様に促され、ウチはおどおどしながら椅子に座った。



何時の間にかエリスちゃんの姿も居なかった。

マジで泣くぞ。



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