【文スト】噂の野良猫娘 ４

洋服を着て ページ31

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帽子さんは一歩前に出ると、再度声を掛ける。



「首領、中原です。例の娘を連れて来ました」



すると、今度は聞こえたらしく、首領の人とエリスちゃんが此方を向いた。



「ん？ やぁ中也君、ご苦労様。それと、いらっしゃい、A君」

「Aーーーッ！！」



ウチを見た途端、エリスちゃんがタタッと此方に駆け寄って抱き着いて来た。



「久し振りねっ！ 元気だったかしら！」

『うん、久し振り……ここに来るまでは元気だった。それよりエリスちゃん服着よう。風邪引いちゃう』

「だってリンタロウが色々着せて来るから着るのが面倒になったの。そうだわ！ Aが選んでよ！ Aが選んでくれたら着るわ！」



突然そんな事云われても困るなぁ。

この手の洋服は良く分からないし、どれもエリスちゃんに似合うんじゃないかな。

とりあえず近くにある洋服で良いか。



ふと、エリスちゃんの後ろを見ると、首領の人が一着の洋服を掲げていた。

「これにしてっ！」と目が必死に訴え掛けて来る。

……正直、気持ち悪いと思った。





『………………じゃ、じゃあ〜今首領の人が持っているのは如何かなぁ〜あれ可愛いと思うよ〜』

「あれね、分かったわっ！ リンタロウ、それ貸しなさいっ！」

「はいエリスちゃんっ！」



エリスちゃんは洋服を首領の人からもぎ取ると、すぐに着替えを始めた。

首領の人は満足気に笑って、此方に親指を立てて見せた。

……正直、気持ち悪いと思った。




「どう？ 似合うかしらっ！」

「すっごく似合うよ！」

「リンタロウには聞いてないっ！」

「酷いよエリスちゃん……でも可愛いから許すっ！」





……ウチ等は、一体何を見せられているのかな。





チラッと帽子さんを見たら「そんな目で見るな」と睨まれた。



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