【文スト】噂の野良猫娘 ４

慣れって怖い ページ15

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『……はぁ〜』









――慣れって怖い。









ソファーに座りながら、冷静にそんな事を思った。

ウチは今、見知らぬ部屋に居る。





何故かって？

知らないおじさん達に誘拐されたからだよ、畜生。





何時もの日課で公園に向かおうとした時、

横に車が止まったかと思ったら、突然覆面を被った男達が降りて来て車に引きずり込まれた。

首にバチバチッと電気が走って気を失った。



……気付いたら、見覚えのない部屋のソファーに寝転がっていた。



両手は手錠が掛けられていた。

後ろに回っていないのが幸いか。

部屋のドアは鍵が掛かっていて開かない。

窓はあるけど嵌め殺し。

景色を見ると、遠くの方にあの高い黒いビルが見えるから、ヨコハマであるのは確実。

でも、周りには建物が無く、林が広がっていた。



『兎に角、助けを呼ばないと……あれ？ ケータイ……』



ポケットに入れていた筈の携帯電話がなくなっている。

没収されたんだろうな。

部屋に電話があったけど、コードが切れていて使えない。





その時、部屋のドアが開いた。





「目が覚めたか？ お嬢ちゃん」



一人の男がウチを見て部屋に入って来た。

後ろから数人の男達も入って来てドアが閉まった。



「手荒く招待して悪かったなぁ。大人しく云う事を聞いたら、すぐに家に帰してやるよ」



リーダーの男の後ろに控えていた男に、腕を掴まれてソファーに座らされた。

テーブルを挟んでリーダーの男が椅子に座り、テーブルにウチのケータイを置いた。





「じゃあ、お父様に電話してくれねぇか？ 鵜飼財閥のご令嬢ちゃん」





『……は？』









――今、何て？



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