【文スト】噂の野良猫娘 ２

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『悪い人達に捕まってさ。助けてくれない？』

《助けるったって、オイラに何が出来るんだよ？》



ウチは後ろを振り返って手首の結束バンドを鼠に見せた。



『これ、齧ってくれない？』

《別に良いよ。その代わり……》

『お礼はするからさ』

《流石A。話の分かる奴》



ちょっと待ってろ、と云って鼠が換気口に戻って行った。

ふぅっと息を吐いてその場に座った。



「貴女、一体……」



座って前を見れば、お姉さんが困惑した顔をして此方を見ていた。

まぁ驚くよね。



『あーっと……お姉さん、異能力って知ってる？』

「っ！ ……えぇ、まぁ」

『何だか、ウチも異能力を持ってて、動物と話が出来るんだ』

「だから、さっき鼠と……それで、一体何と云っていたんです？」

『助けてくれるみたいなんだ。もう少ししたら――』



もう少ししたら来ると思う。



そう云おうとした時、換気口の奥の方からまた音が聞こえた。



さっきよりも激しく、大きな音を立てて。



まるで何かが押し寄せる様な……。





《待たせたなっ！》





格好良く登場したさっきの鼠。





そして、その後に大量の鼠がわらわらと換気口から溢れ出て来た。





「きゃああああああああああっ！！」





お姉さんの絶叫が部屋に響いた。



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