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「すみません。話が聞こえたもので」
「あぁ、我々は武装探――」
「美しい」
国木田が職員に説明しようとしたら、横から太宰が割り込んだ。
ちゃっかり手を握って女性職員に顔を近付ける。
「どうか私と心中してくれませんか?」
「……はい?」
困惑する職員から太宰を引き剥がし、国木田は太宰を張り倒す。
「あー……気にしないで下さい。ある種の病気なんです、彼奴は」
「そうなんですか? 大変ですねぇ。お医者様紹介致しましょうか?」
「いえ、お構いなく。もう手遅れなので」
「酷くない? 国木田君……」
床に倒れながら見上げて来る太宰を無視して、国木田は職員に簡単に自己紹介をして話を聞く。
女性職員の名札には「柴田」と書かれていた。
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「……あぁ! 先日の火事の患者さんですか? それなら私が担当しているんですよ。宜しければご案内致しますよ?」
「それは助かります」
ほっと一安心する国木田。
そんな彼の腕に、柴田が腕を絡ませて来た。
「――時に国木田さん? 今お付き合いなさっている方はいらして?」
「えっあ、いや……柴田さん?」
突然の事で体を強張らせる国木田。
背筋を伸ばして冷や汗を搔いている。
「もしよろしければ、お仕事の後食事でも如何ですか?」
「い、いやっ、その、この後も予定が詰まっていまして……」
たじたじになって答える国木田の横で、楽しそうに様子を窺う太宰。
「良いなぁ〜国木田く〜ん。美女からのお誘い羨ましい〜」
「お、おい! ち、違うぞ! 彼女が出来るのは4年後なのだ! 今ではない!」
「まぁ理想は置いといて」
「置くなっ!」
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夜廻(プロフ) - 続編待ってました!無理しないで、頑張って下さい!!!! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 44c5ec9c50 (このIDを非表示/違反報告)
ノア@情緒不安定(プロフ) - ちぃちゃんの性格が好き。 (2018年3月17日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
高杉アヤ(プロフ) - 何この作者神かよ女神かよ!!(←羨まし過ぎて逆に尊敬してる奴) (2018年2月19日 21時) (レス) id: bdc5f38589 (このIDを非表示/違反報告)
sakaruma1031(プロフ) - とても、面白いです。続きが気になります! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 7de756cf73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - やつがれえええええ!良くやった!ひぐっちゃんおめでとう! (2018年2月7日 19時) (レス) id: 71a49373db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年1月19日 23時