良い案 ページ26
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太宰Side
――今夜一晩、お前が見張れ、太宰。
まぁ……予想はしていたさ。
それが一番の解決策だからね。
Aちゃんを医務室のベッドに寝かせ、ベッドの傍の椅子に私は腰掛けた。
そして、Aちゃんの手を握る。
こうしておけば、異能力が勝手に発動する事は無いし、起き上がって歩き回られる事も無い。
……ただこれだと、私は寝ずの番が確定なのだけれど。
国木田君達は早々に帰っちゃったし。
鬼だね、全く。
「……あ、そうだ」
ふと、この状態より良い案が浮かんだ。
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ASide
お早う、皆。
早速だけど、誰か説明してくれない?
気持ち良く眠っていたのに叩き起こされたんだけど。
しかもウチは今、医務室の床に正座させられている。
隣には同じく正座をする包帯さん。
何故か頭にはたんこぶが作られている。
そして、ウチ等を正座させているのは、目の前に仁王立ちする眼鏡さん。
朝から凄い形相だけど大丈夫?
寝不足なの?
仕事し過ぎだよ。
ウチはまだ眠い。
頭がぼんやりするし、さっきから欠伸が止まらない。
眼鏡さんがくどくど説教をしている中、ウチは小声で隣に声を掛けた。
『ねぇ包帯さん。何で眼鏡さん怒ってんの? 何したの? そのたんこぶ如何したの、痛そうだよ?』
「あのねぇ……他人事みたいに云うけど、これ半分君の所為でもあるのだよ?」
『え? ウチ知らないけど? というか、半分は包帯さんの所為なんだ』
「貴様等! 俺の話を聞いているのかっ!」
さっきから眼鏡さんが何か云っていたが、正直云って聞いてない。
「全く……俺は見張れと云った筈だぞ、太宰」
「だぁから、私は大真面目に見張っていたじゃないか。
それとも何かい? あの方法以上に良い案が国木田君には思い付く事が出来たいのかい?」
不貞腐れながら包帯さんが云った。
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太宰Side
「よいしょっと」
私はベッドに寝転がってAちゃんの方を向いた。
左手でしっかりとAちゃんの手を握る。
Aちゃんの異能力を無効化し、徘徊しない様に動きも封じられて、尚且つ私も休息が取れる。
そんな素晴らしい案を思い付いて、早速実行に移す。
所謂「添い寝」と云う物だ。
「お休み、Aちゃん」
そう云って私は目を閉じた。
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夜廻(プロフ) - 続編待ってました!無理しないで、頑張って下さい!!!! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 44c5ec9c50 (このIDを非表示/違反報告)
ノア@情緒不安定(プロフ) - ちぃちゃんの性格が好き。 (2018年3月17日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
高杉アヤ(プロフ) - 何この作者神かよ女神かよ!!(←羨まし過ぎて逆に尊敬してる奴) (2018年2月19日 21時) (レス) id: bdc5f38589 (このIDを非表示/違反報告)
sakaruma1031(プロフ) - とても、面白いです。続きが気になります! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 7de756cf73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - やつがれえええええ!良くやった!ひぐっちゃんおめでとう! (2018年2月7日 19時) (レス) id: 71a49373db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年1月19日 23時