愛が足りない ページ34
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京都校の東堂葵が伏黒と対峙した後、自販機前まで戻って来た頃。
「楽しんでる様だな」
「冗談。私はこれからなんですけど」
「駄目だ。お前と違って俺にはまだ東京に大事な用があるんだよ」
そう言いながらポケットから何かを取り出した。
「高田ちゃんの個握がなっ!」
「「「……へー」」」
女子からの反応は酷く冷たいものだった。
「乗り換えミスって、もし会場に辿り着けなかったら、俺は何しでかす、か……はっ!!」
その時、東堂が何かに気付いた。
瞬間、凄まじい殺気が放たれた。
「「「っ!?」」」
思わず釘崎たちは身構える。
「な、何よいきなりっ! 殺気仕舞いなさいよ」
「……ない」
「え?」
「一枚足りないっ!! 高田ちゃんとの個握チケットがぁぁぁっ!!」
「「「……は?」」」
そう叫んで、東堂は手に持っているチケットを何度も数え、
自分のポケットを裏返し、上着をバタバタと振った。
「ないっ……ないっ……くそぉ一体何処にっ!」
(紛らわしい)
(何だこいつ)
「別にあと3枚あるんだから良いじゃ――」
「良いワケないだろっ!! 高田ちゃんとの個握手を一度逃すんだぞっ!!」
(((だから何だってんだ)))
「只でさえ直接会う機会なんて滅多にないのに、このたった一回の機会を逃すなど、俺の高田ちゃんへの愛が足りないと思われたらどうするんだっ!!」
(((心底どうでも良い)))
女子の冷めた視線など気にせず、東堂は顔を手で覆って嘆いていた。
その時。
『あ、あの、どうかしたんですか?』
飲み物を買いに来たAが到着した。
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愛菜(プロフ) - 脹相大好きなので妹ちゃんとの絡みが待ち遠しいです…!! (2021年3月31日 4時) (レス) id: 6adb5175f1 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - すっごい面白かったです!更新頑張ってください!! (2021年3月16日 23時) (レス) id: eb3104731e (このIDを非表示/違反報告)
ムスビ - 最後まで描き続けてください誤字てしまったので書き直しました (2021年3月12日 10時) (レス) id: 7c4a754810 (このIDを非表示/違反報告)
ムスビ - この小説は最後まで続けて欲しいですだから絶対かかったきてください応援しています (2021年3月12日 10時) (レス) id: 7c4a754810 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - ムスビさん» 嬉しいコメントありがとうございます! 頑張ります! (2021年3月11日 22時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2021年1月27日 23時