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『――いってぇ……腕バキバキなんだけど。ゴリラかよ』
粉砕された両腕を再生させながら須田は立ち上がった。
「ねぇ、虎杖悠仁は俺が殺すんだから先に殺ろうとしないでよ」
先程までの笑みが顔から消えて、不機嫌な真人が須田に言った。
『あー悪い。お前がボロクソに負けたって聞いたもんだから、強いのかと思ったけど……あんま大したことなさそうだな』
「はぁっ?」
青筋を立てた真人が須田の胸倉を掴んだ。
「あんまり生意気言ってると殺すよ?」
『事実を言われてキレんなよ、真人』
不敵な笑みを浮かべた須田は、真人にだけ聞こえる声量で続けた。
『それと、俺を殺したら計画がパーになるだろ。夏油に怒られても知らねぇぞ』
須田の言葉に真人は舌打ちを打って手を放した。
『やっぱ噂通り一筋縄ではいかないな。今日の所は帰るわ』
「このまま僕が、君等を逃がすと思うわけ?」
『俺等に構っている暇はねぇだろ』
須田は五条達の後ろの方を指さした。
『車で留守番してる人って、1級呪霊は祓える?』
「「っ!!」」
伏黒と虎杖は気付いて後ろを振り返る。
『今ならまだ間に合うかな? 俺等の相手してたら手遅れになるかも』
「……」
沈黙する五条を見て、須田達は踵を返して歩き出した。
『俺が本調子になる頃にまた会おうな――五条』
手を振って二人は林へと消えて行った。
その後すぐに車まで戻って見ると、車の周りに大型の改造人間が複数取り囲んでいた。
実際、等級的には2級に届かない程で、五条が一瞬で片付けてしまった。
死にそうな表情で運転席から転げ落ちた伊地知を虎杖達が慰める中、
五条は一人、須田が去って行った方へ目を向けていた。
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コメ - いつも面白くて楽しませていただいてます。リクエストですが須田くんが植物トリオの世代軸設定のお話お願いします。 (6月3日 21時) (レス) id: 5747f4fe46 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ - すごく面白くって一気読みしちゃいました!須田がカッコいいです!!リクエストなのですが、学生時代に七海と二人で遠征に行って、大人になってからその思い出話をするお話をお願いします! (2023年1月21日 20時) (レス) id: 4fd0808a54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2023年1月3日 15時