* ページ24
.
そんな途方もない話を、夏油は真剣な表情で言った。
あぁダメだ。
この顔は本気なんだ。
俺が今何を言っても、夏油は止まらない。
『……夏油、悪いけどついて行けねぇ。お前のその考えは納得出来ねぇわ』
「そうか、残念だね」
俺は呪具の刀を引き抜いて、刃を向けた。
すると、ズズズッと夏油の後ろから呪霊が現れる。
『とりあえず、お前の両足バキバキにして連れて帰る。今の話を五条達の前でも言わせるから大人しくボコられろ』
「喧嘩かい? そういえば、君と本気で喧嘩したことないね」
.
.
「――誠一、ひとつ訂正するなら、これは喧嘩じゃないよ」
夏油は口元の血を拭いながら、血溜まりに伏せる須田を見下ろす。
丁度、千切れた腕を再生する所だった。
荒い息をして、須田は刀を支えに立ち上がる。
「君は私を止めたい。私は私の道の妨げになる君を殺したい。目的からしても君は私に負けている」
『ははっ……端っから勝負が見えてるってぇ? じゃぁこれは、テメェが良く言う【弱い者イジメ】になるのかぁ?』
だらりと口から血を垂らしながら須田が夏油を睨む。
『テメェの呪霊何体ぶった斬ったと思ってんだよぉ? 何発俺の拳食らったか数えてねぇのかぁ?』
夏油は呪霊を飛ばして須田の攻撃を防ぎ攻撃する。
須田はそれを悉く斬り捨てて夏油に近付き殴る。
それの繰り返し。
須田が怪我をする度に、術式により攻撃も速度も増していく。
『そんなマウント取る暇あるなら、
「……」
夏油の眉間の皺が深くなる。
須田は刀を構えて踏み込んだ。
一気に距離を縮めて夏油の懐に入り、刀を振った。
瞬間、視界が回る。
気付いた時には地面を転がり、木に背中を打ち付けていた。
即座に起き上がろうとした。
しかし、踏み出した足の膝から下が無くなっていた。
――グサッ
背中から胸に何かが貫通した。
後ろを見れば、いつの間にか木の陰に呪霊が出現していた。
須田はガハッと口から血を吐き、動きを止めた。
これまで大量に血を失い続けた。
今動いているのも不思議なくらいだ。
.
103人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
金平糖 - セーイチ君大好きですwすいません...五条と夏油別で少しピンクなやつみたいです...!応援しています!! (2022年2月26日 0時) (レス) @page41 id: d9f31616d6 (このIDを非表示/違反報告)
びんぬ(プロフ) - とても面白いです! 芸能パロ出来たらお願いします (2022年2月5日 13時) (レス) id: fca2d1816a (このIDを非表示/違反報告)
hina galeliya(プロフ) - ありがとうございます、面白かったです笑 次の作品期待してます! (2022年1月14日 22時) (レス) @page35 id: 6792595ba8 (このIDを非表示/違反報告)
家具が高い - リクエスト分けたんですね!面白かったです! (2022年1月10日 18時) (レス) @page28 id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - セーイチ君死なないでください( ´Д`) (2022年1月9日 12時) (レス) @page4 id: cddd8979ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2022年1月8日 23時