【呪術廻戦】こっち来んな呪術師！

また会う時に ページ49

.





「『……』」





食べ終わって会計も済んで店の外へ出た。

店員の勘違いで散々の目に遭った。





『絶対アンタの方が目付き悪いし。どう見たって堅気じゃねぇもん』



「まだ続けんのかよ。お前も大概だろうが」



『アンタよりはマシだ』










「おーい、やっと見付けた」










遠くの方から声が聞こえて見ると、スーツを着たちょび髭の男が来た。

視線は隣の傷の男へ向けられた。





「お前何処行ってたんだ」



「飯食ってた」



「金持ってないだろ……あ、お前まさか」





何かを察したのかちょび髭の男は俺を見た。





「こんな子供脅して金払わせたのかっ！？」



「人聞き悪い事言うなよ」





日頃の行いがものを言うのか、他人が見たらそう言われても仕方ないらしい。

ちょび髭の男は「坊主悪かったな」と言いながら懐から財布を出して札を数枚抜こうとした。





『い、いいや良いっすよっアンタが払わなくて！ 今回は俺も助かったから礼で飯代払っただけなんで！』



「そうだぞ、この餓鬼が勝手にやった事だから気にすんな」



「お前は子供に飯奢って貰って恥ずかしくないのか」





ちょび髭はこの男と知り合いなのか。

只のサラリーマンって感じじゃないし、この人も堅気じゃなさそうだ。

そんな人から金貰うとか、後が怖い。





『そんじゃ、俺はもう帰るよ。電車の時間そろそろだし』



「ホント悪かったな。今度どっかで会ったら礼するぞ」





また会うとか勘弁してほしいけど。





『そんじゃあ、またどっかで会ったらさ、今度は飯奢ってよ。そっちの人が金持ってたらね』



「あ？ 何でだよ」





顔を顰める男を見て笑い、俺は早足でその場を離れた。





.

次の→←似てないっ！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す