【呪術廻戦】こっち来んな呪術師！

悔いのない死なんてない ページ38

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助かる可能性がないか、この時になって色々考えてしまう。

そんな事考えるだけ無駄だ。





『どうにもならない時だってある……悔いのない死なんてない……』





ゆっくりとその場に立ち上がって、目の前に居る呪霊を見遣る。





『ならいっそ、やれることやってから死ぬさ』





羽織るだけだった服を脱ぎ捨て、腰に忍ばせて置いた短剣の呪具を取り出し、呪霊に刃を向けた。

そんな小さな武器で何が出来る？ 呪霊は可笑しいのか笑みをより一層深めて俺を見た。





『……俺の術式は、負傷した度合いによって体力と呪力が増加する。瀕死に近い程強くなれる捨て身の術式だ』





術式の開示を述べつつ、短剣をくるりと回した。





俺は今まで、相手から受けた攻撃で自動的に術式が発動させていた。





自らを傷付けることは、五条から止められていたからだ。










「花渡家の術式の詳しい事はまだ分からない事ばかりだ。自傷と言う行為自体が、術式に大きく関わるかもしれない。不用意に自分を傷付けるのは止めとけよ」










――悪いな五条。










俺は刃先を自分の首に宛がった。










『この術式の醍醐味は、自傷によって自発的に強くなれることだ』










――ザクリッ










目の前に鮮血が噴き真っ赤に染まった。





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