【呪術廻戦】こっち来んな呪術師！

疑問 ページ29

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須田が出て行って、医務室はしんと沈黙した。

目頭を押さえて夜蛾は深く息を吐いた。





「センセー、そんな落ち込むなよ」





一番に口を開いたのは五条だった。

スッと立ち上がって汚れを払っていた。





「彼奴だってアンタを責めるのは筋違いだって分かってんだ」



「多分色々あり過ぎて、自分の中で整理が出来てないんです」



「ホントに嫌なら暴れてるだろうし」





夏油と家入も立ち上がって、先生に声を掛ける。

部屋を出て行く前の須田の表情をは、座っていた三人には良く見えていた。

怒りが膨れて爆発しそうだけど、誰にぶつければ良いのか分からない。





「……お前たち、頼めるか？」





夜蛾がそう言うと、三人はニヤッと笑った。





「ご褒美奮発して下さいよ」









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医務室を飛び出して外に出たは良いが……。





『何処だよホント。マジここ東京かよ』





周りの建物はお寺の仏閣や塔が建ち並んでいた。

その周りを囲む山。

俺のイメージしていた東京は影も形もない。

自分の現在位置も分からない上、最悪なことに財布もケータイも持っていない。

どう家に帰ろうか、長い石段の上に腰掛けて悶々と考える。









「セーイチくーん、あーそびーましょー」









後ろの方から大声が飛んでくる。

振り向けば五条、夏油、家入が揃って近付いて来た。





『……うざ』



「あぁんっ！？ 五条悟様が遊びに誘ってんだぞ。泣いて喜べよ」



『泣いて喜んで欲しいなら歩行者天国で叫んで来いよ。嫌って程に群がるぜ』



「群がるって表現は良くないよ」



「ウケる」





三人は俺の周りに座り込んでちょっかいを出してくる。





『……何だよ。先生に説得してくれって頼まれたのか？ 先生想いの優しい生徒だこと』



「まぁ頼まれたのは本当だけど……私たちは君が心配なのさ」



『心配ねぇ……ははっ、嬉しくて涙が出そうだ』





なんて、涙なんて全然出る気配もないけど。





『つか俺財布もケータイもないからさ、車出して送ってくれよ』



「一応、私達引き留めに来たのだけど……」



「なぁ須田。お前何でそんな嫌なわけ？ 呪術師になんの」





頬杖をつきながら五条が疑問をぶつけて来た。





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