【呪術廻戦】こっち来んな呪術師！

ここ治安悪い ページ45

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面倒なのに絡まれた。





「よぉ兄ちゃん部活帰りかぁ？」



「お兄さん達にちょっとお金貸してくれなぁい？」





任務帰りに街を歩いていると二十歳前くらいの男三人に声を掛けられた。

黒い高専服に呪具を入れた黒いケースを肩に掛けている姿は、

普通の高校の剣道部に所属する学生に見えるのだろう。

補助監督は先に帰らせ付き添いはなし。

外出禁止も解けて漸く一人で外に出られると、俺は大分浮かれていたのだろうと思う。





『すんません、俺そんな持ってないっす』



「良いよ良いよ、持ってるだけくれりゃあ良いから、な？」





何が「な？」だよ。嫌だねぇこういうカツアゲ野郎。





『電車代無いと困るんすよねぇ』



「それくらい残してやるよ、俺等優しいだろ」





優しい奴はそもそもカツアゲなんてしねぇ。

あーもう、此奴らボコって良いかなぁ。

もう此奴ら一般人とか関係ねぇよなぁ。

丁度通りから離れた路地の影だし。

そう思って肩から呪具のケースを下ろした。





「ほら、さっさと金出――っでででぇう、腕がぁぁぁっ！！」





俺の肩に手を置いた男の手を掴んで軽く捻れば、情けない声で叫んだ。





『っるせぇなぁ、テメェらにやる金なんてねぇんだよクソが』





ズルズルと体が低くなる男をそのまま突き放して壁にぶつける。





「糞餓鬼っ！！ 舐めてんじゃねぇよっ！」





怒った仲間の一人が殴り掛かって来る。

それを躱して懐に入った所を下から男の顎を殴る。

綺麗にアッパーが入れば男はよろよろと後ろへ下がって倒れた。

その時、後ろからもう一人の男が俺を羽交い絞めにして来た。

動きを封じられていると、最初に腕を捻った男が立ち上がって、ポケットからナイフを取り出した。





『うわー治安悪過ぎだろここー』



「何余裕ぶっこいてんだよっ！」





ナイフの切っ先を俺の首に近付ける。

さて、どうするか。

流石に流血案件は問題だ。

羽交い絞めにしている奴は足を蹴れば解けるだろう。

ナイフで多少切られても俺は問題ない。

後は……高専側にバレなければ大丈夫。





そんな事を頭の中で考えていると、俺の後方、暗い路地の奥でカタンッと音がした。





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