やっぱ嫌い ページ48
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『はぁぁぁ〜……』
発行されたヒーロー活動許可仮免許証を眺め、Aは深い息を吐いた。
「魂まで吐き出しそうな勢いだぞ？ 大丈夫か？」
『いやもう何か疲れて……疲労と安堵の溜息だよ、轟君』
隣で聞いていた轟にそう言うと、何となく納得してもらえた。
「……なぁ燈堂」
『ん？』
「俺の事、夜嵐に何て言ったんだ？」
『…………ふぁっ！？』
気が抜けてすっかり忘れていた。
一次試験の時に微妙な空気になって言葉を交わしていなかった。
『えーっとそのーあーっとー……そうあれだよ』
「どれだよ」
『……そのー』
たじたじになるAだったが、観念してぽつぽつと話し出した。
それを聞いた轟は、目をパチクリさせてAを見つめ、ふっと笑った。
「……ありがとな」
『いや、お礼を言われる程の事では……』
「おーいっ！ おーいっ！」
その時遠くから勢い良く夜嵐が走って来た。
「轟！ また講習で会うな！ けどな……正直まだ好かんっ！！ 先に謝っとく！ ごめん！」
「どんな気遣いだよ」
「こっちも善処する」
「彼は、大胆というか繊細というか……どっちも持ってる人なんだね」
『本当に、真っ直ぐで良い人だって事は分かったよ』
そんな夜嵐の背中を見送っていると、ピタッと足を止めた。
すると、また勢い良くこちらに走って来た。
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作者名：ネコぱふぇ
| 作成日時：2020年6月28日 11時
