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「えー全員ご確認頂けたでしょうか？ 続きましてプリントをお配りします。採点内容が詳しく記載されてますので、しっかり目を通して置いて下さい」
ボーダーラインは50点。
減点方式で採点している。
委員会の人から紙を渡され、Aは内容に目を通す。
自分が行った行動が何点減点されているか細かく記載されている。
「61点、ギリギリ……」
「俺84！ 見て凄くね！？ 地味に優秀なのよね俺って！」
「待ってヤオモモ94点！」
「Aちゃんはどうだった？」
『90点……意外に高くてびっくり』
「燈堂さんも優秀やっ！」
試験開始早々の行動が遅れた事で減点されている。
あとは立ち止まって傍観する事が多いとの事。
合格した受験者は、緊急時に限りヒーローと同等の権利を行使できる立場となる。
プロヒーローの指示が無くても、自分の判断で動けるようになる。
それはすなわち、自分の行動一つ一つに社会的責任が生じると言う事。
オールマイトと言う大きな象徴が失われた事で、
歯止めが利かなくなった敵が増える事が予測される。
いずれ社会の中心となるヒーロー志望者が規範となり、抑制できる様な存在にならないといけない。
更に精進する必要がある。
「そして、不合格となってしまった方々、点数が満たなかったからとしょげてる暇はありません。君達にもまだチャンスは残っています」
三ヶ月の特別講習を受講した後、個別テストで合格すれば仮免許を発行するそうだ。
救助演習で不合格になっても試験を続行していたのは、
「決して見込みがないわけではない」と判断したから。
修正点を改善すれば合格できる実力者であるという事。
「学業との並行でかなり忙しくなるとは思います。次回４月の試験で再挑戦しても構いませんが――」
「当然っ！」
「お願いしますっ！！」
やる気の満ちた声が上がった。
「やったね！ 轟君っ！」
「すぐ、追い付く」
こうしてようやく、また一歩ヒーローへと近付いて行く。
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作者名：ネコぱふぇ
| 作成日時：2020年6月28日 11時
