それぞれの課題 ページ16
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夕食後、寮の外。
Aは母に聞く前に今一度自分だけで炎の切り替えを試みていた。
『……ふっ、と……59秒、か……はぁ』
ストップウォッチを眺めてAは落胆した。
片手に炎を出し、炎の変化を見ながら時間を計る。
それを何度か繰り返して漸く1分の壁を越えた所だ。
しかし、記録はそこから数秒上下するだけとなった。
『ダメだぁ〜、これ以上やっても縮まる感じがしない〜』
集中力がとうとう切れてAはベンチに座った。
今日の訓練はここまでにしよう。
ベンチから立ち上がって玄関を開けると、共同スペースから声が掛かった。
「あ、燈堂さん、自主練終わったん？」
ソファーに座っていたのは麗日と蛙吹だった。
『うん、丁度終わりにしたところ』
「お疲れ様。私達今からお風呂なのよ」
「一緒に行かへん？」
『行く行く』
三人はお風呂でゆっくり浸かり、今日の疲れを癒す。
「自主トレはどうかしら、Aちゃん？」
『うーん、何とか1分以内まで縮まったけど、そこから全然ダメで……』
片手を上げてゆらゆらと白炎を出して眺める。
「轟君みたいに、左右で炎を分けるって出来んの？」
『それも良いなぁって思ったけど、個性の関係上根本的に無理だから諦めた』
「そっかぁ」
『まぁそこは頑張るよ。それより二人の必殺技はどう？ 順調？』
「えぇ、やりたい事はイメージ出来てるわ」
「私もっと起動力上げたい」
『私は黒炎の必殺技頑張りたいな。コスチュームも色々調整したいし』
「あ、そうや。開発工房に発目さん居てさ、もの凄い絡まれた」
『へぇ』
一頻り三人でお喋りをしてから、お風呂から出てそれぞれ部屋に戻った。
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作者名：ネコぱふぇ
| 作成日時：2020年6月28日 11時
