平気 ページ38
「……おい、大丈夫か？」
『……え？』
顔を上げると、壁に寄り掛かっていた中原さんが鉄格子に近付いて、中を覗き込んでいた。
「具合でも悪ぃのか？」
『……』
私が黙って目をぱちくりさせていると、中原さんが顔を顰めた。
「……何だよ」
『あ……いえ……中原さんって、実は優しい人ですよね』
「はぁぁっ！？」
しかめっ面を此方に向けて中原さんが叫んだ。
「何馬鹿な事云ってんだ、手前はっ！」
『だって普通、敵対関係の相手に、そんな事云いませんよ？』
「別に、心配して云ったんじゃねぇよ」
罰が悪そうに、帽子を深く被り直す中原さんを見て、「そうですか」と私は少し笑った。
『……平気ですよ。ちょっと頭がくらくらするだけですから』
「……そうかよ」
そう云って少しの沈黙。
その後、中原さんは私に背を向けた。
「さぁて、太宰の野郎に嫌がらせしに行くか」
そんな独り言を云いながら、足音が遠ざかって行く。
再び一人に成って静けさが戻ると、途端に眠気に襲われた。
平気とは云ったものの、体は大分具合が悪い。
何もすることも出来ず、何も考えたくないので、とりあえずまた目を瞑って意識を飛ばした。
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ネコぱふぇ(プロフ) - ステラさん» コメントありがとうございます。続編・番外編もよろしくお願いします。 (2018年10月9日 23時) (
レス) id: c2e869a79d (このIDを非表示/違反報告)
ステラ - すごく面白かったです。(≧∇≦) (2018年10月9日 17時) (レス) id: 62ccad48f7 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - 美花さん» コメントありがとうございます。喜んで頂けて嬉しいです！ (2018年10月7日 10時) (レス) id: c2e869a79d (このIDを非表示/違反報告)
美花 - 面白かったです。サイコー!(〃^ー^〃)コメントがないのが不思議な位です…。 (2018年10月7日 9時) (レス) id: f78291fe45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネコぱふぇ
| 作成日時：2017年10月21日 23時
