第142話 絶望の足跡 ページ45
A「それじゃ、また後で」
政務をこなした後夕餉を済ませ、就寝に備えて風呂に入ることにした。
鶯丸「ああ。よろしく頼む」
柔らかな微笑みと共に彼の優しい声が聞こえ緊張は少し解れた。
渡り廊下で鶯丸と別れると、私はそのまま風呂場へ向かう。
恐らく皆もまだ風呂に入っていないだろうから露天風呂も向こう側を気にすることなく入ることが出来る。
A「さて、ゆっくり入りますか」
スカートのホックを外し上着も脱ぎ脱衣籠に入れ一人だから大丈夫だろうと何も巻かずに大浴場へ行った。
背中の呪いは、まだ残っている。
最近では術も効かなくなり背中の大半を呪いの紋章が占めている事態となってしまった。他の審神者にも術について教えてくれないかと頼んだが、空狐のような面倒ごとに巻き込まれるのは御免だと断られてしまった。
A「困ったな……」
他のみんなに見られてしまっては大変困る。
薬研にバレたらどんなにこっぴどく叱られることか。
湯船に浸かり、そんなことを考える。
今日なんて次郎ちゃんや鶯丸、沢山の人に迷惑をかけてしまった。
私が、弱いから。
暖かい色をした照明が湯船を照らし美しく波打つ湯は私の顔を写す。旅館のような大浴場な為鏡は何枚も貼られていて沢山の中に一人ぼっちな私は何だか寂しい気持ちになってしまう。
A「髪、洗わなくちゃ」
痣、火傷、煙草のあと。
遠くで鏡に映る私の体は、醜い。
もっと、綺麗でいたい。
普通の女の子でいたい。
普通の女の子って何？
学校に行って、友達がいて、
放課後には友達と遊んだり、
彼氏とデートしたり？
お家に帰ったらおかーさんとおとーさんがいて
「おかえり」
って言ってくれる
美味しくて温かいご飯に、他愛ない話
「今日は何した？」
なんて。話したことは一度もない。
温かいお風呂、温かいベッド、温かい両親。
私には、何一つ無かった。
ずっと、一人ぼっち。
おかーさんなんて呼んでも帰ってこない。
おかえりなんて、言ってくれない。
ずっと、ずっと、ずっと
「……ぁ」
手の甲に落ちた温かいものは、自分の涙だった。
気づけば、髪はシャンプーの泡でいっぱいになっていて自分が長いこと考えていたことに気付かされる。
A「_______」
こんな時、思い浮かぶのは鶯丸だけだった。
清光も、宗三さんも、一期さんも、鶴丸も皆私を好きだと言ってくれている。ずるいままじゃなくて、きちんと、返事をしなければ。
A「……よし」
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黒コマ先生 - 続きが見れない｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年1月30日 1時) (
レス) id: 84aaed6e82 (このIDを非表示/違反報告)
はみゅんが - 凛刀さん» コメントありがとうございます！このままは無いです！（笑）これから鶴丸諸々可哀想な展開が続きますが最後は�爐�っと�瓮魯奪圈璽┘鵐匹覆里�(｀･ω･´)激励のお言葉ありがとうございます、楽しんでいただける様に頑張って更新します！ (2017年8月23日 14時) (レス) id: 5290d80f40 (このIDを非表示/違反報告)
はみゅんが - いふじ┏(┏^o^)┓さん» コメントありがとうございます！新章では鶴丸が可哀想なくらい報われなかったり、黒鶴に続いて空狐が出てきたりと絶望が続きますが挽回してくれるのが皆です！（笑） (2017年8月23日 14時) (レス) id: 5290d80f40 (このIDを非表示/違反報告)
はみゅんが - 水李@nﾆｼﾞｮｳyさん» コメントありがとうございます！これから鶴丸がかなり可哀想になる展開が続きますが、きちんと報われるので(たぶん)楽しんでいただける様に頑張って更新します！ (2017年8月23日 14時) (レス) id: 5290d80f40 (このIDを非表示/違反報告)
凛刀(プロフ) - つ、鶴丸ー！！！このまんまなんてないですよね.....(泣) 新章楽しみにしています！作者様の好きなペースで頑張ってください！ (2017年8月21日 21時) (レス) id: ffac510b60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はみゅんが | 作成日時：2016年12月15日 19時
