One ball concentric.

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Side.Sasaki





決起集会として行われたご飯会でたまたま近くに座っていたのは有栖川Aさん。間に宮城を挟んでいるもののこんな近くで話す機会は初めてでまだ緊張が解けない。

有栖川さんは物凄いスピードでひとりグラスを空けていく。全くもって酔ってるようには見られないし呆気に取られてしまう。



山田「てかさずっと聞きたかったんやけど、
アリスって結婚願望ないん？」


突然、有栖川さんにそんな質問が投げかけられて思わず視線をそっちに向けた。隣の宮城も同じように気になるように聞いていた。





「あるだけって話ですよ

もう同じ歳の人はみんな結婚して子供産んで家庭があってって感じですし、それ聞いて素直に幸せそうでええなって思いますけど、自分がそうなりたいかとかなれるのかって問われるとそうじゃないかも」



ドギマギしてる俺たちを他所に有栖川さんは冷静に答えていた。
その後も冗談じみた話に笑いながら話している。





宮城「なんか、有栖川さんって結構意外性あるよな」


コソッと言った宮城に思わず頷いた。



普段はリーグも違えば年齢だって離れてる。
顔を合わせる機会だってこの侍ジャパンがなければ難しかったし、同じチームになったからといって話を出来てる訳では無い。


まだ自分が小さい頃から活躍してたすごい人。
物凄く遠い存在の人だと思ってた、抱いてたイメージは一方的なものでしか無かったのだと痛感した。


あんな風に笑うことも、
野球を楽しんでる所も、
全部が初めて知る姿ばかりだ。




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