One ball concentric.

#再会を願ったのは ページ5

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栗山「今更だけどね、翔平に言われたんだ

"Aは世界一に必要だって"」



「え？」



栗山「元々呼ぶつもりはしてたけど、翔平が必ず参加して貰えるようにお願いって熱心に言ってきたからね」


侍ジャパンでの合宿も終わり、まだ来られていないメジャー組の合流と強化試合を残すところになった。自分としてもパフォーマンスが上がってきて、調子の良い状態で挑めるなと思っていたこのタイミングで監督の口からそんな事を聞かされると思ってなかった。



栗山「昔から言ってたよ

有栖川Aと勝負することも一緒に戦うことも好きなんだって」


いつもの様に穏やかに笑う監督を前に私は少しだけ複雑な気持ちになった。
きっと翔平の言ったことに深い意味なんてないし、世界で活躍するスーパースターにそう思われて嬉しくない人なんて居ない。だけど、その思いを受け止めて喜べるほどの純粋な気持ちは今の私には無くなってる。



栗山「…そんなに気負わなくていいから

翔平が合流したら率先して声掛けてあげてね」






まるで示し合わせたかのようにその夜、「会えるのを楽しみにしてる」と翔平から連絡が届いていた。アメリカへ渡ってからは連絡を交わすことがぐんと減っていたからかどう返信すればいいか分からないまま、気づけば合流の日は着々と近づいていた。





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中野「明日から合流ですよねー、
ぶっちゃけアリスさんと大谷さんってどれくらいの関係性なんですか？」


遅めの朝食を取っていたところにやってきたのは同じく阪神から招集された中野。緊張気味だった最初から比べれば随分とこの環境にも慣れてきたみたい。



「それどう答えるの正解なんよ」



中野「高校の時からがっつり面識ありますよね

プロになってからも大谷キラーって言われてたし」



「交流戦とかでたまに対戦して私の方が良かっただけ

さすがにもう私の知ってる翔平ちゃうよ」



中野「とか言ってアリスさんが会うの緊張してるんじゃないですか？」



「…せやね」







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