検索窓
今日:66 hit、昨日:79 hit、合計:199,009 hit

#似た者同士 ページ20






綺麗な放物線を描いた打球は多くの観客の居るスタンドへと綺麗に吸い込まれ、割れるような歓声がスタジアム中に反響する。


先制を許した。


これまでの試合とは違う展開と、日に日に大きくなる重圧に息苦しくなるよう試合だ。流れを引き寄せる突破口はまだ見つからないし、得点へは繋がらない。



駄目だ、凄く楽しい。


今、この状況において"楽しい"なんて感情を持っているのは場違いなのだろうか。無責任なんだろうか。
それでも、自覚してしまえば仕方ない。





大谷「A、楽しい?」


「うん、めっちゃ楽しい」


大谷「俺も」


顔を見なくても分かった。
翔平もきっと同じ表情をしてる。











正尚さんのスリーランで同点に追いついたと思えば、
また2点取られて差が開く。
取られては取り返して、また取られて。

息する暇もない試合は9回へと突入した。




大谷「…A?」


私よりも幾分も高くて、大きなその背中に拳をあてた。


「頼んだ」


この回に私が打席へ立つことはないだろう。
今の言葉と行動を傍から見れば翔平に勝利を託したように見えるだろう。それも間違いでは無いけれど。


大谷「行ってくる」



その背中を見送った直後、当たり前のように出塁してこちらを盛り上げるその姿はらしい姿な訳で。






続くように正尚さんが冷静に四球を選び、
代走に周東が出る。



「ここで打ったらヒーローやで」


聞こえるはずもないのに、打席に立つ村上に対してそんなことを呟いていた。期待も重圧も何もかも、全部自分のものにすればいい。





_ 村上打ったー!!!



前のめりになった勢いのままホームに帰ってきた彼等に飛びついた。



「村上!!ナイスバッティング!!」


村上「アリスさん!!」



普段なら遠慮気味な村上も感情を爆発させて同じように私に飛びついてきた。もう誰と称えあってるのか分からないけど、嬉しくて仕方ない。


この場所にもっと長く居たい。





#消化しきれない→←#鮮明な記憶



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (170 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
739人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まめだいふく(プロフ) - ココさん» コメントありがとうございます。今後のお話の中で書いていこうと考えていましたのでお時間掛かるかもしれませんが気長にお待ち頂けたらと思ってます。 (12月8日 23時) (レス) id: da2dc5ac0c (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふく(プロフ) - 大阪谷さん» コメントありがとうございます。今後ともお楽しみ頂けましたら何よりです。 (12月8日 23時) (レス) id: da2dc5ac0c (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - とっても面白くて2周してしまいました🥹🥰もし可能でしたら藤浪選手とのお話もいつか見てみたいです! (12月1日 8時) (レス) @page30 id: ffcb459d95 (このIDを非表示/違反報告)
大阪谷 - えぐいおもろいです! (11月26日 19時) (レス) @page26 id: 382b1b8271 (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふく(プロフ) - もちひじさん» コメントありがとうございます。引き続き楽しんで頂けたら幸いです。 (11月20日 17時) (レス) id: da2dc5ac0c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まめだいふく | 作成日時:2023年11月14日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。