One ball concentric.

#それぞれの余波 ページ18

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甲斐「あれ、翔平に捕まってなかったっけ？」



「無理やり逃げて来ました

一緒におったら休む暇ないんですもん、私は静かに過ごしたい」



甲斐「翔平にそんだけ塩対応出来るのアリスだけだよ」


苦笑しながらも長時間フライトだし身体気をつけようね、と言ってくれる甲斐さんと隣で心底良かったと思ってる。



中野「アリスさーん、いつものいります？」


「え、欲しい」


甲斐「え、なになに？」


ちょっと離れた席にいた中野が持ってきたのはいつも私が移動時に食べてる大量の飴。好きなフレーバー揃えてくれてるあたり優しさしか感じない。


山田「うわー、アリスが後輩パシってるやん」


「人聞き悪い言い方するんで、
哲人さんは黙っといてください」


山田「まだその糖分補給辞めてなかったん？」


「私なりのささやかな休息なんで」


有難く中野から大量の飴を受け取り、何だかんだしてれば飛行機は日本を立っていた。つい数時間前まで東京ドームで試合をしていたとは思えないスケジュールの過密さだ。



湯浅「アリスさん1個ちょーだい」


後ろからひょっこり現れた湯浅とその隣には大勢と戸郷くん。3人とも若干そわそわしてるのが何となく分かる。


「何味がいい？
オススメはキャラメルポップコーン」



牧「うわ、なにそのゲロ甘そうなの…」


たまたま近くを通りかかった牧がすんごい顔でこちらを見てきた。いや、私にもこの飴の開発者にも失礼だろ。
とか言いつつも気になるのか手元にあったの持って行ったけど。



甲斐「そんなだけ食べてて大丈夫なの？」


「食べる分動くので
寧ろ糖分摂取しないと頭回らないんでダメですね
後は気の問題」


甲斐「そうなんだ」


「多分反動ですよね
高校の時とか食べることから何から制限だらけやったし」


甲斐「そっか、アリス大阪桐蔭だもんなぁ」



当時は何も思ってなかったけど、あの生活をもう1回やれと言われたらもう二度とやりたくは無い。それくらいキツかった。結局はそれが今の私になってるんだけども。







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