浮気4 ページ4
〜黒尾side〜
「付き合って嫌な事もあったけど、楽しい事もそれなりにあって････正直、好きだなって思ってたよ。お前のこと」
どうしてこうなった。
打ち所が悪かったのか、痛みで体が起こせない俺は、目線だけをAの方に向ける。
「A････」
俺が名前を呼ぶと、少し時間を置いて振り向いたA。
瞳に涙を溜め、苦しそうに唇を噛んでいる。
「お前が優しい奴だって事は、高校の時から分かってる。 だから、次の相手はちゃんと大切にしてやれよ。 じゃあ、鉄朗」
それだけを言ったAは、背を向け出ていった。
((ﾊﾞﾀﾝｯ
扉の閉まる無機質な音だけが、廊下に響く。
「A････」
呼んだって返事が返ってくる事は無い。
分かっているけれど、呼ばずにはいられない。
浮気なんてするはずない。
俺がずっと好きなのは、西条A。
ただ一人だけだ。
それは、告白したあの時から変わらない。
ｶﾞﾁｬﾘと近くの扉が開き、中からさっきまで抱いていた女が出てくる。
「え？！鉄朗？！どうしたの？！」
あぁ、マジで最悪。
「もう良いから、服着て、とっとと帰れ。目障りだわ」
「はぁ？！何その言い方！！ 」
「うるせぇ！！ とっとと帰れ！」
女は服を着て、怒った様子で家から出ていく。
さっきとは違う、ガサツな扉の閉まる音が響く。
俺は頭をかきながら、ゆっくり体を起こし、ため息をつく。
どうしたらいい。
取り敢えず、連絡を入れてみるか。
腰を押さえながら立ち上がり、寝室にあるスマホを手に取る。
ロック画面に映る写真は、２週間前に出掛けた水族館デートの時の写真。
今回の事は全面的に俺が悪い。
分かってる。
でも浮気をしてた訳じゃない。
ただ、欲を発散する為に女を抱いてた。
俺も出来ることなら、興味もない女を抱きたくはなかった。
でも、三大欲求を抑える事なんて出来るはずもなくて。
Aの事は抱けない。
それなら、Aを思いながら、
代わりを抱く。
それが最前だと思ったんだ。
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黒輝 累(プロフ) - mikittyさん» 嬉しいです！！！高評価＆お気に入りありがとうございます！これからも宜しくお願いします！ (3月5日 19時) (
レス) id: 915107712a (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - お気に入りと高評価しておきました！またの更新楽しみにしております！ (3月5日 16時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
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