浮気11 ページ12
〜貴方side〜
助けてくれ。
そう言わんばかりの目線を向けてくる赤葦。
ですよね。
そうなる事は分かってましたよ。
俺は小さく溜息をついて、電話口にでる。
『赤葦！頼む！Aと話してぇんだ！！』
「煩い。 話って何。手短に言ってくれ」
出来るだけ冷静に、
冷たく、
『あ･･･A？』
「そうだけど。 1日で声忘れた訳？ なら、もう切っていい？」
『ま、待て！ 話あるから！ そのまま！切らないで！』
少し間を置いて、深呼吸する音と鼻をすする音が聞こえてくる。
電話越しなのに伝わってくる緊張に、俺を自然と背筋が伸びる。
『A。 ごめん』
「････」
『Aをずっと傷つけてきた事、謝って許される事じゃないのは分かってる。 本当に最低な事した自覚ある』
「そう」
傷つけた自覚。か････
『でも、俺が好きなのは昔からずっと･･･高校の時に告白した時からずっと、お前一人だ！ 本当に！！』
「そう。 なら、また好きになれる相手探しなよ」
『お前以外なんて考えられねぇし、考えるつもりもない。 今までの事ちゃんと説明する。 だから････』
『戻ってきてくれ』
消え入りそうな声でそう言った黒尾は、電話口の向こうで泣き始める。
高校最後のバレーの試合でだって、こんなに泣いて無かった。
でも俺は、
「ーーーーッ」
言おうとした言葉が喉に詰まって出てこない。
もう終わりだって言わなきゃ。
お前何て嫌いだって言わなきゃ。
なのに、頭に浮かぶ言葉とは裏腹に口から出るのは掠れた空気ばかり。
なんで、
どうして、
「Aさん」
いつの間にか強く握っていた拳を、目の前に座る赤葦がそっと握ってくれる。
「素直になりましょう」
俺に聞こえるだけの小さな声。
優しい笑顔で掛けられた言葉に、涙が溢れる。
「ずっと、、、」
『･･･ｯ?!』
「ずっと辛かった････んだ。 鉄朗････」
考えていた言葉よりも、
心に溜めていた思いが溢れる。
「俺のこと•••好きだって･･･!!なのに、、他の･･･女･･ｯ」
『ごめん。 本当にごめん』
会いたい、
触れたい、
傍に居てほしい、
「鉄朗････会いたいよ･･･」
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黒輝 累(プロフ) - mikittyさん» 嬉しいです！！！高評価＆お気に入りありがとうございます！これからも宜しくお願いします！ (3月5日 19時) (
レス) id: 915107712a (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - お気に入りと高評価しておきました！またの更新楽しみにしております！ (3月5日 16時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
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