浮気10 ページ11
言葉が出ず、返事ができない俺に、赤葦が小さくため息を付きながら言葉を続けた。
『まぁ、でも、Aさんには仕事から帰ってきたら一応聞いてみます』
「あぁ、悪い」
『いえ。 本当に不器用な人達ですね』
プツンと電話が切れ、俺は天井を仰ぐ。
傷つけていたことは分かっていた。
けれど、この5年間一度だって別れ話を出されたことが無かった。
だから、離れていくことはない。
そんな安心感とは裏腹に、本当に俺のことが好きなのか。
俺はアイツの中で特別な人間であるのか。
胸の隅に現れるそんな不安が、俺の行動を加速させ。
そして、
「マジで馬鹿だわ。俺」
スマホの画面に映る、今まで遊んだ女達の名前。
それら全てを着信拒否の枠に入れ、重く溜息をつく。
こんな事で許されるとは思ってない。
だけど、一つずつ行動を見直して
一つずつ、幸せだったあの頃に近づけていこう。
大丈夫。
「大丈夫だ」
まだ間に合う。
そう思うのに、気持ちは一向に落ち着かない。
「取り敢えず、とっとと仕事終わらせて家に帰ろう」
それから昼も食べることなく仕事に打ち込み、久しぶりに定時帰宅。
スーツのままでリビングのソファーに腰掛け、赤葦からあるであろう連絡を待つ。
大丈夫だよな。
連絡来るよな？
急かす気持ちを読み取ったのか、静かな部屋にスマホのバイブ音がなる。
((ﾌﾞﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ
「もしもし！」
『あ、赤葦です。 今、大丈夫ですか？』
「あぁ！ Aは何て言ってる？」
『えっと･･･それが･･･』
言いにくそうに口篭る赤葦。
嫌な予感がする。
背中に変な汗が伝う。
『話すことは無い。 今後一切連絡してくるな、迷惑だ。との事です』
「え、いや･･･でも！！」
声が聞きたい。
もう一度話がしたい。
「頼む！ 近くにいるんだろ？！ かわってくれ！」
『いや、でも････』
「頼む！」
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黒輝 累(プロフ) - mikittyさん» 嬉しいです！！！高評価＆お気に入りありがとうございます！これからも宜しくお願いします！ (3月5日 19時) (
レス) id: 915107712a (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - お気に入りと高評価しておきました！またの更新楽しみにしております！ (3月5日 16時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
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