第31話 ページ38
お泊まり会だとは言っていたものの、一応女と言うことで僕は部屋に戻った
治療の前に水浴びをしたし、この傷で風呂なんて無理だと思った僕は入学当初から使わせていただいているふかふかのベッドにうつ伏せで寝転がる
麻酔薬の影響もあってか、数分もしない内に眠りについた
.
ブーッブーッ
聞き慣れない音が俺を起こした
そう言えば昨日名前が帰ってくると聞いたが、俺は眠さのあまり先に寝たんだった
普段鳴らない音を発しているスマホに手を伸ばせば
名前・ルモラから着信
そんな画面
通話ボタンを押した
シ「‥、おはよう」
寝起きの掠れた声で呟く
『ぁ、う‥シルバー、‥部屋、来てくれ、』
なんて、聞いたこともないような苦しそうな声
目を見開いた俺は、パジャマであるにも関わらず向かい隣にある名前の部屋に走った
ドアノブを回せば、すんなりと開いた扉
ずかずかと中にはいれば、ベッドの上でうつ伏せになりシーツを掴みながら顔を歪める名前がいた
親父殿‥、リリア先輩の読んでいた新聞を見たから怪我の状況は知っていた
かといって俺は治癒魔法を使えるわけもなく、どうして良いかわからない
まだ日が昇ってすぐ、名前にしては遅い目覚めだと思う
普段なら4時過ぎには部屋をでているときいたが、今日はもう六時になるような時間だ
ホリデーでの疲れがたまっていたんだろう
リリア先輩を呼ぼうかとすると
貴『鞄の中、に‥薬、あるから、』
息荒くそう告げた名前の指差した鞄の中を漁ると、黄緑色のような液体が入った瓶が、いくつも入っていた
瓶には小さく麻酔薬、と書かれている
これを直飲みで‥??
早く貸せ、と言わんばかりに震える手を俺に伸ばす名前の手に瓶を乗せれば、起き上がることすらままならないのか、寝転がったままにそれを飲んだ
口許から溢れたであろうその液体を、指で拭ってやれば力尽きたかのようにベッドに沈む
はあ、はあ、と肩で息をしながら苦痛に歪む表情で俺を見詰める
シ「そんなもの飲んで‥、眠気が酷くなるだろう」
貴『は、‥でも、これしか効かない、って‥言われたから、』
新聞で見てもわかるほどに酷い怪我だ
あの怪我を治せる程の治癒魔法を使える者なんて限られているだろう
仕方がないのか、と落胆した俺は名前の息が落ち着くまでの間、頭を撫でていた
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暇鬱(Itosaka) #(男として活動してるけど)一応僕っ子系女子(?) - 髪が結べるということは下手したら僕より髪長いぞ…← (2023年3月31日 3時) (レス) @page19 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 璃猫さん» もう知ってたらごめんなさい主様ではなくて申し訳ないのですが目次の一番下にある登場人物設定というところに入力すると変えれるかと思います(語彙力がなくわかりにくかったらごめんなさい) (2021年11月21日 15時) (レス) @page50 id: b4e2026cdd (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - 入学式は??レリック家はどうなったんだ??これでもし監督生が悪女とかだったりしたら僕泣いちゃうぞ←🥺 続きも頑張ってください!! (2021年11月21日 11時) (レス) @page50 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
璃猫(プロフ) - コメント失礼します。主人公の名前なんですが、多分(名前)と打ち込んでいないからか、全て 名前 との表示になってます。意図してその様にしてあったらすみません。 (2021年11月21日 9時) (レス) @page8 id: 15ba7b8b80 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - お金の力のところで声に出して「え、」て言ってしまいましたねw夢主さんとレオナさんの絡み?がすごく好きです (2021年11月20日 23時) (レス) @page49 id: b4e2026cdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2021年11月15日 14時