クロと彼女3

番外編 〜エイプリルフール〜 ページ41

「クロ、A！2人の朝ごはん猫缶な！」

「え、えぇええーー！？？」


朝起きてリビングに入ると真昼にそう言われAは驚いた。

隣のクロはくぁあ〜とあくびをしている。


「あははっ！引っかかったな！今日はエイプリルフールだ！」

「え、えいぷりるふーる？」

「そう！今日は嘘ついてもいい日なんだ！」

「へー！そんな日があるんだね！」


彼女は興味が湧いた。


「真昼ー、しょうもない嘘ついてないで早く飯にしろー…」

「しょうもなくて悪かったな！はいはい、今用意するよ」


真昼はキッチンへ用意していた朝食をとりにいった。


「クロ、そんな面白い日があるんだね！」

「めんどくせーだけだろ…」

「2人とも、用意できたぞー」


3人は朝食をとり始めた。
すると、クロがぽつりとこぼした。


「真昼の飯まっず…」

「えっ！？なんか変なもん入ってたか！？」


焦る真昼にクロは無表情で言った。


「いえーい、騙されたー」

「はぁ！？びっくりしたじゃねぇか！あとお前そういうこと言うキャラだったんだな！？」


そんな2人のやり取りを見て彼女は羨ましいなと感じた。






朝食を食べ終わったあと真昼は洗濯物を干し、彼女は食器を洗い、クロはごろごろとゲームをしていた。


「よし、終わった！」


彼女が皿を洗い終わってふとクロを見た時、自分もこのイベントに参加したいなと感じた。


(んー…でも嘘ってどんな嘘を…。あ、そうだ！)


「クロ！」


彼女はゲームをしているクロの目の前に座ると言った。


「クロってかっこよくないよね！」

「は？」


キョトンとするクロを見て成功したのだと彼女は顔を明るくさせた。


「どう？上手く嘘つけたでしょ？」


嬉しそうに聞く彼女がクロの顔を見ると少し頰が赤かった。


「どうしたの？」

「あー…それって嘘になるから…」

「嘘だよ？」

「だから…あー…///」


はっきり言わないクロに首を傾げていると、背後から真昼が言った。


「つまりそれって、普段はクロのことかっこいいって思ってるってことだろ？」

「え？そう………っ！？///」


彼女はやっと自分の発言に気づき顔を真っ赤に染めた。


「あ、え、えと…あわわわー！///」


彼女は真っ赤な顔を隠すようにリビングから出て行ってしまった。
その反応に恥ずかしそうに顔を赤くするクロ。


(早くひっつけよ)


と焦れったい真昼であった。

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