クロと彼女3

6.〜愛〜 ページ23

「……で、それが一体何なのか教えてもらっていいですか？」



とりあえず、適当にその辺にある椅子に座った真昼達は、やっと落ち着いたヨハネスに聞いた。

「あぁ、彼女はラーヴァンプだよ」

「いやだから…そのラーヴァンプって何ですか？」

ヨハネスは本を開き、あるページを見せた。

覗き込むと、字が日本語でなかったため、真昼には読めない。

「えーっと…」

「これはドイツ語だよ」

御国は本を手に取り、読み上げた。

「こう書いてある。

『私は吸血鬼達に感情をつけるかどうか迷った。感情は時に人を強くし、弱くする。それは私の作る吸血鬼達にいるだろうか？』」


「それは…！」

クロは驚いた顔で御国を見た。

「どうやら…サーヴァンプの生みの親のようだね。

続けるよ。

『なるべく人に似せたいのもあり、やはりつけよう。


○月○日

面白いことが分かった。
7人兄妹が完成した後、他に作った吸血鬼で実験を行った。人間の恋愛感情についてだ。一時的に恋愛感情を植え付けた吸血鬼から血を採取した際調べてみると、驚く結果が出た。

その血からは兄妹ともサブクラスとも人間とも全く別物の、特殊な血が確認できた。

実験のしすぎで、吸血鬼は壊れたがまあいい。

この実験から分かった可能性は、7人兄妹達がもし人間に恋をして、愛し合い、その人間に血を飲ませれば、特殊な吸血鬼が生まれるかもしれないと言うことだ。

特殊とあるだけ、どんな吸血鬼か分からない。ちょっとした変化が生じ、吸血鬼らしくないかもしれないし、恐ろしい吸血鬼かもしれない。

可能性の話だが、面白いだろう』

で、終わってる…」

「つ、つまり…どういう…」

よく分かっていないメンバーにヨハネスは説明した。

「つまりね、彼女はその特殊な吸血鬼なんだよ。

分かりやすく言うと、怠惰のサーヴァンプと彼女が愛し合ったことによって生まれた存在」


「愛って…///」

彼女は顔を真っ赤にさせた。

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