クロと彼女2

4.〜怠惰じゃねぇ〜 ページ34

クロsaid

「クロ、出ていいぞ」

真昼がチャックを開けて俺に言う。
俺はリュックから出て、真昼に肩に乗った。

「ふあぁ…疲れた…」

「おまえは何にもしてないだろ…。よし、Aのところ行くか！」

真昼はスタスタ歩き出した。

「A、しっかり働いてるだろな！」


「………大丈夫かな」


「えっ？何がだよ？」

俺は不安を真昼にこぼした。

「…あいつ、吸血鬼らしくないだろ。それで距離とられたりとかしてねぇかな……」

真昼は俺を見て、キョトンとした顔をしていたが、すぐに笑い始めた。

「……なんだよ」

「あははっ！いや、Aなら大丈夫だろ！」

「……そう、か…」

「それにしても、おまえほんと、Aのこと気にかけてるな！」


そりゃあ…だって…。

「………うるせぇなぁ」

「おまえ、Aが絡むと性格変わるな！全然怠惰じゃねぇ」

また真昼は笑いだす。

「………いっつも怠惰だったら怒るくせに」

「なんだよ、褒めろって言うのか？」

「あー…もういい。周りの視線が痛い」

「えっ？」

真昼はやっと気づいたようだ。

猫に話しかけて声をだして笑っているおかしな男子高校生を見る周りの目に。

真昼は顔が赤くなる。
歩みを速めた。

「気づいてたんなら早く言えよ…！///」

真昼は恥ずかしい思いで、商店街を通りすぎて行った。

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