番外編 マジギレ！？彼女ちゃん3 ページ46
「何だよこれ！？」
男はそのまま持ち上げられ、勢いよく地面に叩き落とされた。
「ひぃいい！！た、頼むっ…許してくれ！ほんの出来心だったん…んぐっ！？」
許しを求める男の顔を彼女が踏みつけぐりぐりと力を込める。
「くろをこんな風に踏み潰して楽しかったんですか？」
「そ、それはっ…」
「すごく楽しそうでしたよね。おかしいなぁ…わたしは貴方を踏み潰しても不快な気分にしかならないのに……」
「ごめんなさいごめんなさい！！」
「教えてください、踏み潰す楽しさを…」
「や、やめてくれ！！」
「だめですよ。貴方達が感じた踏み潰す楽しさをわたしが感じるまでやめませんから」
そう言って無表情で男の顔を踏みつける。ミシミシと頭蓋骨が軋む音がして、彼女を見ると目が赤くなろうとしていた。
このまま踏み潰してしまえば、彼女が彼女でなくなってしまいそうな気がする。
「Aっ…」
慌てて人の姿になると彼女の赤黒い瞳を手で覆った。
「やめろ！それ以上したら死んじまう……」
「く、ろ…？」
彼女が足を下ろし男の方を見ると失神しているようだった。死んでいないことにホッと息をつくと彼女がゆっくりこちらを振り返る。
その瞳からは今にも涙がこぼれ落ちそうだった。
「クロ…すごい怪我…！ごめんね、ごめんね…！私が早く戻らなかったから…」
いつもの彼女の様子に安心すると、彼女に腕を掴まれ引っ張られた。
「歩けそう？早く帰って治療しないと…！」
「え？いや、それよりこいつらを病院に…」
「ダメ！クロの方が傷が酷いよ！」
明らかにそんなことはない。オレは確かに体中擦り傷があるが、地面に血を流して倒れる男達よりは断然マシだ。
「A…お前人を殺しかけて……」
その時、ガッと彼女がオレを見る。その黒い靄が渦巻いた瞳に寒気がした。
「『くろ、かえろう』」
彼女の声とあの白猫の声が合わさったように聞こえ、オレに拒否させまいとしているようだった。
「………ああ、帰ろうA…」
もうめんどくさくて、痛いくらいに腕を掴んでくる彼女の手と手を繋いで路地裏を出た。
外はすっかり暗くなっていた。
「全く、暴れるだけ暴れて後処理もせず…まあそんなこともあろうかと処理班を呼んでありましたが」
露木がおきまりのセリフと共に呟くと白い服を着た連中が倒れたままの男達を車に運び始めた。
「それにしても、あの温厚そうなラーヴァンプが…要注意ですね」
特別企画 夢主ちゃんたち大集合！→←番外編 マジギレ！？彼女ちゃん2
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星歌(プロフ) - カコさん» 私も最近嫌いになれない人だなと思うようにはなりました…。この小説だと完全悪者扱いですよね…すみません…！！ (2018年2月24日 21時) (
レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 塔間さん嫌いにはなれないです…。 (2018年2月24日 16時) (レス) id: 667d573e94 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 唄さん» 大いに同感であります唄様…！！全てにおいて美しいですもんね、めんどくせーから家デートでとか言われても全然オッケーですもんね。むしろありがたき幸せ。クロ大好きです！！ (2018年2月22日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
唄(プロフ) - 切実にあんな彼氏が欲しくなる、と言うかクロと言う名の彼氏が欲しくなりますね。 (2018年2月21日 21時) (レス) id: 4acb668125 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - お菓子の家さん» コメントありがとうございます！わあ〜！！なんとありがたきお言葉！！そう言っていただけると、もっと頑張ろうと思えます(*´∇｀*) 頑張らせていただきます！ (2018年2月20日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星歌 | 作成日時：2018年2月6日 20時
