番外編 短編集3 ページ38
『好きだろ？』
「Aー」
「なーに？」
クロに呼ばれ、彼女は雑誌を見ながら応える。今年のトレンドが載っており、彼女としてはチェックしておきたい項目。
「Aー」
「なーにクロー？」
ぬくぬくのこたつの中で足を突かれる。それから逃げるように足を引っ込めれば、長い足が伸びてきてまた突かれる。
「やめてよー」
「Aー」
「だから、なーにってさっきから言ってるでしょ？」
彼女がやっと雑誌から顔を上げクロを見る。クロはそれに満足そうな表情を浮かべて言った。
「呼んだだけだ…」
「なにそれ…？」
彼女は不思議に思いながらもまた雑誌を見る。かわいらしい猫耳パーカーを見つけ、買おうかと悩んでいるとまたクロに呼びかけられた。
「Aー」
「今度はなに？」
「Aー」
「だからなに？」
「呼んだだけ…」
また同じパターン。
彼女がモヤモヤしながらもまた雑誌に視線を戻した瞬間、また同じように呼びかけられた。
「Aー」
「もう！さっきからなんなの！？」
流石の彼女も何度も何度も同じことをされて怒る。用もないのに呼ぶなと言うわけではないが、今はゆっくりと雑誌を読みたいのだ。
「わ、悪りぃ…」
クロは怒った彼女に驚き少し寂しそうにする。彼女は少し言いすぎたと思い雑誌を閉じた。
「急に怒ったりしてごめんね。でも何回も呼んでるのに呼んだだけって変に感じて…どうして何回も呼ぶの？」
「だって…Aって呼ぶの好きだから…」
「……えっ？」
「Aの名前が好きだから…何回も呼びたくなる……」
名前でさえも愛しく感じてしまう。
クロのそんな想いに気づき、嬉しさと恥ずかしさが込み上げた。
「あ、ありがとう…///」
「Aも好きだろ？」
「えっ？」
「名前呼ばれるの…」
コテンと首を傾げられ、目の前のイケメンがかわいいと感じた。
「もー…クロには敵わないなぁ…///」
「あー？」
「何でもないよ」
彼女はそう言って、彼の足を自分の足で軽く突いた。
ーーーーー
『フレンチキス』
Asaid
「クロ！フレンチキスってなに？」
「はっ……？」
ゲームをしていたクロの隣に座って聞いてみる。雑誌に『かわいくお願い！キスのおねだり必勝法！！』とあって、その中で気になったのを思わずしてみたくなった。
(本当は最近はあんまりキスできてなくて寂しいからだけどね…///)
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星歌(プロフ) - カコさん» 私も最近嫌いになれない人だなと思うようにはなりました…。この小説だと完全悪者扱いですよね…すみません…！！ (2018年2月24日 21時) (
レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 塔間さん嫌いにはなれないです…。 (2018年2月24日 16時) (レス) id: 667d573e94 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 唄さん» 大いに同感であります唄様…！！全てにおいて美しいですもんね、めんどくせーから家デートでとか言われても全然オッケーですもんね。むしろありがたき幸せ。クロ大好きです！！ (2018年2月22日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
唄(プロフ) - 切実にあんな彼氏が欲しくなる、と言うかクロと言う名の彼氏が欲しくなりますね。 (2018年2月21日 21時) (レス) id: 4acb668125 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - お菓子の家さん» コメントありがとうございます！わあ〜！！なんとありがたきお言葉！！そう言っていただけると、もっと頑張ろうと思えます(*´∇｀*) 頑張らせていただきます！ (2018年2月20日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星歌 | 作成日時：2018年2月6日 20時
