番外編 短編集2 ページ37
『違う』
「久しぶりのデートだね♡」
「おー…」
今日は久しぶりに2人っきりでデート。彼女も気合いを入れておめかしをし、クロもその服装が気に入っていた。
(普段の服もかわいいけど、こうしてオレのためにオシャレしてくれたんだと思うと……なんつーか、幸せもんだなーって思うんだよなー///)
「今日はね、パフェがおいしいって評判のお店に行こ！クロ、パフェ好きでしょ？」
「おーいいな。またお前が『あーん』して食べさせてくれるなら…」
「えぇー…///ちょっとだけだよ？」
恥ずかしそうに聞いてくる彼女にうなづき繋がれた手に力を込める。それに応えるように小さな彼女の手も握り返してきた。
(あーかわいい…)
そんなことを思って歩いていると、2人の前からスタイルのいい女性が歩いてくるのが見えた。
(あ、あの女の服…Aが着たら似合いそうだな…)
白いレース生地のワンピース。ふんわりとしたシルエットに、スカートには花びらが舞っており、花のような彼女にピッタリの服だった。
(あれなら胸の大きさもカバーできて他の男どもにいやらしい目で見られることもないだろうし、デート服にはもってこいだな…いや、もちろん今日の服もかわいいけど)
そんなことを思っていると手がキュッと握られた。不思議に思い、クロが彼女の方を見ると寂しそうにこちらを見上げている。
「ど、どうした…？」
「クロ…あの人のことずっと見てる…」
「えっ？」
「あの人の方が、いい…？」
潤んだ瞳で見つめてくる。
クロとしては服を見ていたのだが、どうやら彼女は女性を見ているのだと勘違いしたようだ。
「いや、んなわけねーだろ…。オレは…」
「いいよ、別に…私じゃクロには子供っぽすぎるもん」
しゅんと項垂れる彼女。
大人になる薬の件でだいぶ気持ちは楽になったようだが、クロのよそ見にまた不安が再発したようだ。
「違うって言ってんじゃねーか…なんで分かんねーんだよお前は…」
クロは彼女の肩を引き寄せ、お互いの肩が触れ合う。
「わっ……クロ、歩きにくい…///」
「オレはお前しか眼中にねーから…」
「えっ…？」
「だから安心して隣歩け…」
「う、うん！///」
彼女は嬉しそうにうなづくと、クロの服にしがみついた。
おまけ
「え、服？」
「だから違うって言っただろ？お前に似合うと思って…」
「そうなんだ…///ごめんね」
「お詫びに『あーん』増し増しな」
「は、はい…///」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星歌(プロフ) - カコさん» 私も最近嫌いになれない人だなと思うようにはなりました…。この小説だと完全悪者扱いですよね…すみません…！！ (2018年2月24日 21時) (
レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 塔間さん嫌いにはなれないです…。 (2018年2月24日 16時) (レス) id: 667d573e94 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 唄さん» 大いに同感であります唄様…！！全てにおいて美しいですもんね、めんどくせーから家デートでとか言われても全然オッケーですもんね。むしろありがたき幸せ。クロ大好きです！！ (2018年2月22日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
唄(プロフ) - 切実にあんな彼氏が欲しくなる、と言うかクロと言う名の彼氏が欲しくなりますね。 (2018年2月21日 21時) (レス) id: 4acb668125 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - お菓子の家さん» コメントありがとうございます！わあ〜！！なんとありがたきお言葉！！そう言っていただけると、もっと頑張ろうと思えます(*´∇｀*) 頑張らせていただきます！ (2018年2月20日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星歌 | 作成日時：2018年2月6日 20時
