番外編 人狼ゲーム10 ページ22
クロはニヤリと笑うと己の手から生えた獣のような鋭い鉤爪をペロリと舐めた。舐めた舌を伝って、鉤爪についた血が彼の喉を通っていく。
「くろ…？嘘だよね、貴方が人狼だったなんて…」
「いや、オレが人狼だ」
「嘘よ…だってそれじゃ、クロがみんなを、殺したってことに…なって…」
「あいつらが悪いんだ。オレの言うことを聞いてくれねーから…」
「なんの、話なの…？」
「オレはこの屋敷の当主だ。そんでもってAを使用人から正式に妻として迎え入れようと思ってた。
オレはAとそのうち産まれる子供達とだけでこの屋敷に住みたかったのに……あいつらはこの屋敷を出ないって言い張った。それで大喧嘩になって…」
「なんで？みんなで一緒に暮らせばいいじゃない…今まで通り、楽しく…」
彼女がそう言うとクロは辛そうな表情を浮かべた。
「オレはっ…オレはお前を独り占めしたいんだ！なのにお前とあいつらときたら仲よさそうに喋ったり触れ合ったり……お前はオレだけで充分なのに…」
「くろ…どうしちゃったの？みんなは兄弟なのに……」
「お前への愛しさに比べたら……オレはお前がいるだけでいいんだ…」
一歩一歩近づいてくるクロに彼女は後ずさる。欲を含んだその赤い瞳に嫌な予感がした。
「あいつらも気づくべきだよな…。兄弟生まれた時からみんな一緒…？一人だけひとりっ子の時期があることに気がつかねーと」
「長男…」
「そうだ。オレは拾われたんだよ…。なあそれよりA、約束したよな？このゲームが終わったら…オレの子供を産んでくれって…」
彼女はそれを聞き逃げ出そうとするが恐怖で足がすくんでしまっていた。クロは人間の姿に戻ると彼女を抱き上げベットへと縫い付けた。
「い、いやぁ！！離してっ！！」
「嫌じゃないだろ？やっと2人になれたんだ…これからはずーっとずーっとオレだけのものだ…」
「助けて…！助けてクロ！！」
「クロはオレだ…。まだ混乱してるのか？かわいいやつだな…優しくしてやるからな。愛してるぞA…」
強すぎる力に押し込められ、そのままベットへと沈んでいく。
(ああ、そう言えば花言葉……赤いバラの花言葉は『あなたを愛してます』と黄色いバラの花言葉は『嫉妬』…だったなぁ…)
抵抗する力もなくなり、歪んだ愛をそのまま受け入れた。
〜〜〜
人狼はクロでした！一度でいいからヤンデレクロが書いてみたくて…苦手な方がいましたらすみません…。
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星歌(プロフ) - カコさん» 私も最近嫌いになれない人だなと思うようにはなりました…。この小説だと完全悪者扱いですよね…すみません…！！ (2018年2月24日 21時) (
レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 塔間さん嫌いにはなれないです…。 (2018年2月24日 16時) (レス) id: 667d573e94 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 唄さん» 大いに同感であります唄様…！！全てにおいて美しいですもんね、めんどくせーから家デートでとか言われても全然オッケーですもんね。むしろありがたき幸せ。クロ大好きです！！ (2018年2月22日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
唄(プロフ) - 切実にあんな彼氏が欲しくなる、と言うかクロと言う名の彼氏が欲しくなりますね。 (2018年2月21日 21時) (レス) id: 4acb668125 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - お菓子の家さん» コメントありがとうございます！わあ〜！！なんとありがたきお言葉！！そう言っていただけると、もっと頑張ろうと思えます(*´∇｀*) 頑張らせていただきます！ (2018年2月20日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星歌 | 作成日時：2018年2月6日 20時
