番外編 人狼ゲーム7 ページ19
クロは彼女を抱き抱えベットへ運んだ。寝かしつけようとするが、彼女は不安な気持ちで寝付けないようだ。
「んー……あ、そうだ…」
クロはティーカップの中に紅茶を淹れ、その中に赤い花弁と黄色い花弁を浮かせた。
「ほら、これ飲めよ」
「まあ…いい香り。これはバラ？」
「ああ、バラの香りでちょっとは気分も落ち着くだろ？」
「えぇ…ありがとう」
彼女は赤いバラの花弁と黄色いバラの花弁の入った紅茶を飲み干すとすぐに眠気が襲った。
「気分もよくなったよ。ありがとうクロ」
彼女はクロにキスしようとしたが、それを人差し指で止められた。
「この事件が解決するまでキスはお預けな…」
「もう…クロったら///」
2人はそのまま抱き合うようにして眠りについた。
ーーー
「んっ…」
朝日の光に彼女は目を覚ます。
目の前にある愛おしい彼の顔を覗き込み、規則正しい寝息を立てていることを確認すると安堵の息を漏らした。
起き上がると、ふんわりとバラの香りがした。よく見ると枕元にもバラの花弁の入った小さな袋が置かれており、その香りが部屋全体を満たしているようだった。
「いい香り…よく眠れた気がするわ」
「ん、んー……もう起きたのか？」
クロも目を覚まし大きな欠伸を漏らす。その時、ドアからコンコンと音がした。
「兄さん、A、僕だよ」
ドアの向こうから聞こえたのは椿の声だった。クロはドアを開けると少し顔色の悪そうな弟の顔を見た。
「あ、本当に一緒の部屋で寝てるんだね」
「おう。それよりどうした？顔色悪くねーか？」
「う、うん…。兄さん、まだこの事件は終わってないみたいだよ」
「なんだと？」
「来て」
ついて来ようとした彼女に部屋で待つように言い、クロは椿と一緒にヒューの部屋を訪れた。部屋は血の匂いで満たされていた。
「ヒュー…」
イスの上で血を流しながら息を引き取った兄弟を見て、2人は心を痛める。その手にある開きかけの本に気がつき、クロはそっとページに目を通した。
「『人狼は人間を捕食する…古来より村人を襲ってはその血肉を貪っていた』」
「兄さんも気がついた？この事件のおかしなところに」
「ああ…。このゲームの人狼は人間を食べてねぇな」
「そうなんだよ。単に殺されただけ、みたいな…。つまり、何か僕らに恨みがあって殺してるだけってことかな…」
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星歌(プロフ) - カコさん» 私も最近嫌いになれない人だなと思うようにはなりました…。この小説だと完全悪者扱いですよね…すみません…！！ (2018年2月24日 21時) (
レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 塔間さん嫌いにはなれないです…。 (2018年2月24日 16時) (レス) id: 667d573e94 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 唄さん» 大いに同感であります唄様…！！全てにおいて美しいですもんね、めんどくせーから家デートでとか言われても全然オッケーですもんね。むしろありがたき幸せ。クロ大好きです！！ (2018年2月22日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
唄(プロフ) - 切実にあんな彼氏が欲しくなる、と言うかクロと言う名の彼氏が欲しくなりますね。 (2018年2月21日 21時) (レス) id: 4acb668125 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - お菓子の家さん» コメントありがとうございます！わあ〜！！なんとありがたきお言葉！！そう言っていただけると、もっと頑張ろうと思えます(*´∇｀*) 頑張らせていただきます！ (2018年2月20日 21時) (レス) id: a4174cb21e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星歌 | 作成日時：2018年2月6日 20時
