番外編 メリークリスマス!7 ページ43
月を見上げる少女の横顔も美しく、風になびく艶のある黒髪が夜空に映えて見える。彼女の一言にあることを思いつき、クロは彼女の手を取りガラにもないことを言ってみせた。
「夜景とセットで、これはオレからのクリスマスプレゼント…」
「え?」
自分の手に彼女の手を乗せ夜空に掲げてみせる。不思議に思った彼女だったが、自分の手と遠くに見える月を見て目を輝かせた。
「わあっ!月の指輪をはめてるみたい!」
夜空に手を掲げると、月が宝石の役割となり、まるで大きな宝石のついた指輪をはめているように見えるのだ。
「だろ?」
「素敵な指輪…とっても嬉しい!」
笑顔ではしゃぐ彼女にクロは幸せを感じた。この時間がとてつもなく好きで、彼女のことがとてつもなく愛おしい。他には何もいらないくらいに。ずっと彼女と幸せな時間を作っていきたい。
「A…これからもオレの側にずっといてくれ…」
「うん!って……え?」
「どうした?」
「あ、あ……えっと…それって、プロポーズ…?///」
夜景、指輪、ずっと一緒にいたい宣言……まさにプロポーズのシチュエーション満点である。
クロはそれに気づくとみるみるうちに顔を真っ赤にさせた。
「そ、れはっ…///」
「わー!冗談冗談!!冗談だから気にしないで!!///」
「プロポーズとか…向き合えねー…///」
「ご、ごめんね…」
しゅん…となる彼女の手を取る。驚く彼女を見つめながらその左手の薬指にキスを落とした。
「プロポーズとかそういうの向き合えねーけど……指輪を渡したいと思うのはお前だけだからっ///」
「……っ///」
(お前の全てを独占したい…ずっと、大事なお前と一緒にいたい……)
ーー指輪をプレゼントすることは、『相手を独占したい』という意味が込められている。
働かないニート吸血鬼には指輪なんて高価な物を贈ることができない。なら今夜は、この夜空に浮かぶ大きな宝石のついた指輪で我慢してもらおう。
「残らねープレゼントばっかで悪りぃ…」
「そんなことないよ!クロがくれる物なら何でも嬉しいの。その気持ちが嬉しいの…///」
(オレだけがやれるプレゼント…か)
クロは真昼が言ったことを思い出し、笑みを浮かべた。
「クロ、メリークリスマス!」
「メリークリスマス、A…」
来年も一緒に過ごせるように願い、クロはそっと彼女の手を握りしめた。
ーメリークリスマス!終了ー
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星歌(プロフ) - 箱庭さん» 何故か謎の人気っ…笑 今から楽しみにしてますよ笑 (2017年12月31日 22時) (レス) id: 6f03f41f00 (このIDを非表示/違反報告)
箱庭 - 星歌さん» リナリアさん、好きですよ! 3月ですか!ありがとうございます!!お年玉(もらえれば)貯金しておきますね(ー∀ー*)よいお年を〜! (2017年12月31日 17時) (レス) id: 01beeaad7a (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 箱庭さん» リナリアお気に召したでしょうか?(*´∇`*) 12巻発売までまだ時間あるので大丈夫ですよ!3月の予定だそうです!! (2017年12月30日 21時) (レス) id: 6f03f41f00 (このIDを非表示/違反報告)
箱庭 - リナリアさんキターーーー!……… うぅ…金欠で12巻買えないいいい…泣 (2017年12月30日 20時) (レス) id: 01beeaad7a (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 箱庭さん» 大丈夫ですよ!「ぁー!!」って伸びてるなーって思ってちょっと笑いました笑 (2017年12月25日 21時) (レス) id: 6f03f41f00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星歌 | 作成日時:2017年12月2日 19時