21. 〜デートのお誘い〜 ページ35
「キャッ…んっ!」
「しーっ…静かにしないと城田真昼や兄さんにバレちゃうからね」
そう抱き抱えたまま椿は告げる。椿は細いベランダの柵に座り、彼女を膝の上に抱き抱えていた。
「椿さん!?」
「A、君って意外に大胆だね」
「えっ?」
そう言われ自分の体勢を見ると、椿の首に腕を巻きつけ胸に自分の柔らかい胸を押し当てているような状態だった。
「わあ!?///ご、ごめんなさいっ…///」
「ぜんっぜんオッケー。むしろ大歓迎だよ!もっと僕に触れて?」
手をとられ冷たい頰に触れた。すぐに離そうとしたが、そのまま細くしなやかな手を重ねられる。
「君の手はあったかい…」
「さ、さっきまで部屋にいましたから…///」
また胸がトクトクと高鳴り始める。
輝く月の光に照らされ椿の美しい顔が際立つ。サラサラと流れるような黒髪も白い肌も、恋人と似た赤い瞳も……全てが美しい。
「椿さんっ…///」
「兄さんたちが来たら面倒だから要件を話すね」
椿はそう言うと、懐から一枚のチケットを取り出した。
「これを君に」
「何ですか?」
「高級レストランの特別招待券だよ」
「えっ?」
「明日の晩、僕と一緒に高級ディナーを食べよう。君を素敵にエスコートしてみせるよ」
「い、いや…私にはそんなところ似合いませんよ」
「そんなことない。君の美しさは美しいところにあるべきだよ。僕の隣とかね」
腰に巻かれる手が強くなり距離が近くなる。再び高鳴る心臓を感じながら、胸を押し返した。
「やめてくださいっ…///椿さんとディナーには行けませんから…」
「何で?僕らが敵同士だから?それとも兄さんがいるから?」
「それはっ…」
「僕とのデート、兄さんに見られちゃったらどうなるかな?兄さんどんな顔するかな?君たちはどうなっちゃうかな?」
「やめて!そんなの想像したくもありませんっ…」
「あはっ!その困った表情もか〜わいい」
椿に弄ばれ困る彼女。そんな顔を見て椿は楽しそうに言葉を囁く。
「でも、君に拒否権はないよ。君が僕からの誘いを拒否すれば、部屋にいる城田真昼に斬りかかるから」
「そんなの卑怯です!」
「そうかもね。でもそうでもしないと君は僕の誘いには乗ってくれないだろう?」
その言葉に何も言い返せない。頰に触れていた手に券を一枚握らせ、彼女をベランダへ戻した。
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星歌(プロフ) - 箱庭さん» 何故か謎の人気っ…笑 今から楽しみにしてますよ笑 (2017年12月31日 22時) (レス) id: 6f03f41f00 (このIDを非表示/違反報告)
箱庭 - 星歌さん» リナリアさん、好きですよ! 3月ですか!ありがとうございます!!お年玉(もらえれば)貯金しておきますね(ー∀ー*)よいお年を〜! (2017年12月31日 17時) (レス) id: 01beeaad7a (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 箱庭さん» リナリアお気に召したでしょうか?(*´∇`*) 12巻発売までまだ時間あるので大丈夫ですよ!3月の予定だそうです!! (2017年12月30日 21時) (レス) id: 6f03f41f00 (このIDを非表示/違反報告)
箱庭 - リナリアさんキターーーー!……… うぅ…金欠で12巻買えないいいい…泣 (2017年12月30日 20時) (レス) id: 01beeaad7a (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 箱庭さん» 大丈夫ですよ!「ぁー!!」って伸びてるなーって思ってちょっと笑いました笑 (2017年12月25日 21時) (レス) id: 6f03f41f00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星歌 | 作成日時:2017年12月2日 19時