21. 〜実験のお時間〜 ページ16
「落ち着きなよ。原因は俺にも分からない…でもこれはすごいことだよ?吸血鬼も成長したんだ!もしかするとラーヴァンプにだけ起こる特殊な能力かもしれない!!」
「私はそんなの嬉しくないんです!成長してしまったらクロを置いていってしまうかもしれないんです!!」
「ん?君は怠惰のために命かけるんでしょ?あのこと忘れたつもりじゃないよね?」
ヨハネスの厳しい目に睨まれぐっと口をつぐむ。
「取り乱してすみません…でも一応、成長の原因を調べるのを第一にお願いします」
「今分かってるのは君の身長とかに変化が出始めたのは半年くらい前からってこと。それよりも前に起きた君の暴走事件のことが関係してるかもってのが俺の推測だけどね」
ヨハネスは紙をしまい戸棚から瓶を取り出した。
「じゃあここからは〜博士の〜〜楽しい実験のお時間〜〜」
「え?んぐっ!?」
驚いて振り返る彼女の口に瓶を突っ込まれた。
「さあ飲んで!これは俺から君への実験だよ!!」
「ん、ん〜!!」
拒否権など与えられない。仕方なく喉の奥に流し込んだ。
「に、苦いっ…」
「C3に言われて仕方なく作った薬なんだけどー。君にも効いたらどこの細胞が普通の吸血鬼たちと同じか分かるんだよね」
「何の薬なんです、か……っ!?」
その時、ビリリッと体に電流が流れたような感覚になった。
「い、ああっ…!」
ビリビリと体が痺れ足の感覚がなくなり床に膝をつく。まるで体の底から全身が電気を帯びるような麻痺。
「ひ、うあっ!あ、あっ…いたい!あぁあああー!!」
「体内から少量の電気を無理やり起こす薬。ラーヴァンプにも効くってことはこの成分はきっと…」
「何してのヨハン」
床で悲鳴をあげる彼女を無視して紙にメモしていくヨハネスの肩が叩かれる。振り返ると首に蛇を巻いた御国であった。
「みくみくおっかえり〜!」
「苦しんでるだろ。早く解毒剤を飲ませろ」
御国の低く怒りのこもった声に、ヨハネスはニヤッと笑った後胸ポケットから薬の瓶を取り出した。それを御国が受け取るよりも早くジェジェが人の姿になり彼女の元へ駆け寄る。解毒剤を飲ませると徐々に苦しまなくなっていった。
〜〜〜
最近のヨハネスははっちゃけてる科学者みたいな感じになってたので、ちょっとブラックなところを書いてみたらだいぶ怖くなりました…。私の中ではヨハネス、御国は人間側でも吸血鬼側でもないイメージです。
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星歌(プロフ) - 箱庭さん» 何故か謎の人気っ…笑 今から楽しみにしてますよ笑 (2017年12月31日 22時) (レス) id: 6f03f41f00 (このIDを非表示/違反報告)
箱庭 - 星歌さん» リナリアさん、好きですよ! 3月ですか!ありがとうございます!!お年玉(もらえれば)貯金しておきますね(ー∀ー*)よいお年を〜! (2017年12月31日 17時) (レス) id: 01beeaad7a (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 箱庭さん» リナリアお気に召したでしょうか?(*´∇`*) 12巻発売までまだ時間あるので大丈夫ですよ!3月の予定だそうです!! (2017年12月30日 21時) (レス) id: 6f03f41f00 (このIDを非表示/違反報告)
箱庭 - リナリアさんキターーーー!……… うぅ…金欠で12巻買えないいいい…泣 (2017年12月30日 20時) (レス) id: 01beeaad7a (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 箱庭さん» 大丈夫ですよ!「ぁー!!」って伸びてるなーって思ってちょっと笑いました笑 (2017年12月25日 21時) (レス) id: 6f03f41f00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星歌 | 作成日時:2017年12月2日 19時