21. 〜憂鬱のお願い〜 ページ14
久しぶりに椿が本編に登場するのですが……番外編や海とかでの椿とは全く雰囲気が違います!話の流れ的には夢主ちゃん救出後から会っていないみたいな設定です。ややこしくてすみません…!
〜〜〜〜〜
「ねぇ、何か面白い話をしてよ」
声のした方へ目を向けると、着物を着た男が歩いてくるのが見えた。降りしきる雨の中、何事もないように歩いてくるその男。
「椿さんっ…!?」
「久しぶりだね、A…」
そう言った時にはもう既に椿が目の前にきていた。伸びてくる手に反射的に後ろへと下がる。
「そんなに怖がらなくても大丈夫だよ。君を傷つけたりなんてしないから」
優しげな赤い瞳に見つめられ、今度は大人しく頰に触れられた。
(椿さんの目、クロによく似てて調子狂っちゃう…)
頰を撫でていた手は髪を撫でゆっくりと後頭部を引き寄せられる。椿の腕に収まるような形になり慌てて離れようとしたが強い力で抱き寄せられた。
「あ、あのっ…椿さん!///」
「僕の愛おしいA…」
耳元で囁かれる声は甘く切ない声。何故か胸がキュッとなるのを感じた。
「今日は君にお願いしにきたんだ」
「お願い…?」
「うん。もうすぐ僕らは本格的に兄さんたちと戦っていく。そうなると君を傷つけてしまうかもしれない、それが僕は嫌なんだ…」
「椿さん…」
「だから、僕らのもとへ来て欲しい…」
「えっ…?」
「兄さんたちから離れて僕らの仲間になってほしいってことだよ」
「みんなのもとを…クロのもとを、離れろってことですか…?」
「うん…」
「そんなの…できませんっ!!」
彼女は精一杯の力で椿を突き放すと距離をとった。
「クロは私にとって…とても大切な人なんです!クロのこと大好きなんです!あの人を裏切るなんてできない!!」
彼女ははっきりそう言うと逃げるように走った。小雨の中を走り抜けると、周りの赤がなくなり、空には雨雲が見え、通行人とすれ違った。
「で、出て来れた…あっ傘……」
傘がないことに気づき振り返ったが、そこにはあの空間はない。雨も止んでいるので、とりあえず急いで駅まで走った。
〜〜〜〜〜
「映画化記念!」のお話…映画化記念なのに映画で活躍するはずの色欲、嫉妬組が全然出てなかった…。またその4人とのお話も書いてみたいです!
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星歌(プロフ) - 箱庭さん» 何故か謎の人気っ…笑 今から楽しみにしてますよ笑 (2017年12月31日 22時) (レス) id: 6f03f41f00 (このIDを非表示/違反報告)
箱庭 - 星歌さん» リナリアさん、好きですよ! 3月ですか!ありがとうございます!!お年玉(もらえれば)貯金しておきますね(ー∀ー*)よいお年を〜! (2017年12月31日 17時) (レス) id: 01beeaad7a (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 箱庭さん» リナリアお気に召したでしょうか?(*´∇`*) 12巻発売までまだ時間あるので大丈夫ですよ!3月の予定だそうです!! (2017年12月30日 21時) (レス) id: 6f03f41f00 (このIDを非表示/違反報告)
箱庭 - リナリアさんキターーーー!……… うぅ…金欠で12巻買えないいいい…泣 (2017年12月30日 20時) (レス) id: 01beeaad7a (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - 箱庭さん» 大丈夫ですよ!「ぁー!!」って伸びてるなーって思ってちょっと笑いました笑 (2017年12月25日 21時) (レス) id: 6f03f41f00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星歌 | 作成日時:2017年12月2日 19時