番外編 ページ45
助産師さんが「分娩室行こう」と言ったので、Aは先に分娩室へ、俺は別の部屋で術着に着替えて分娩室へ。
美紀さんは「ごめん、子供のご飯作らなきゃいけないから帰るわ!しっかりAちゃん支えてやってね!」と言って背中を叩いてくれた。
あとで絶対お礼します、と言ったら期待しとくわ!とにこやかに去っていった。
……俺の周りは、つくづくイケメンが多い。
急いで分娩室に入ると、もう赤ちゃんを取り出す体勢に入っていた。
「んんんんんん〜〜〜〜!!!やばい、やばい、やばいいいい!!」
「赤葦さん、今いきんで!」
Aの呻き声に心を痛めつつ、助産師さんに「頭のところにいてね。」と言われたのでAの頭付近でずっと「がんばれ」と言い続けていた。
分娩室に入って何十分経ったのかも忘れかけていた頃、やっと「頭出たよ」と助産師さんの言葉。
そこからは、早かった。
頭が出た後、すぐに体が出てきて、へその緒をぷつん。
泣き声が聞こえない、と不安になったが、助産師さんが赤ちゃんの背中を優しくさすると、赤ちゃんはおぎゃあと赤ちゃん特有の声を出して泣いた。
____その瞬間、俺の目からは大粒の涙。
なんか、色々な気持ちがこみ上げてきた。
Aありがとう、お疲れ様、とか無事に産まれてきてくれて良かった、とか。
「なんで京冶が泣くのー、こっちまで泣けてきちゃったじゃん。」
額についた汗を拭いながら言うA。
「………A、ありがとな。」
微笑んで言うと、「ありがとう、京冶」とAも微笑み返してくれた。
「赤葦さんお疲れ様です。可愛い女の子ですよ。」
タオルにくるまれた赤ちゃん。
Aが先に抱いて、俺の番。
恐る恐る小さな体を抱きかかえる。
思ったより、重い。
なんか、幸せだ。
その後は色々な処置とかをして、その間にAの両親や俺の両親も来てくれて。
みんな笑顔だった。
やっぱり、幸せだ。
その後、結局眠れたのは2時過ぎ。
俺とAは泥のように眠りについた。
797人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:*フィラ* x他2人 | 作成日時:2015年2月17日 20時