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怪盗一目惚れ ページ6

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 快斗は目の前でぐっすり眠る彼女を前に、困りきって頬を掻いた。
 二人は今、屋敷からそれなりに離れた場所に位置する展望台のベランダの一角にいた。

 本当は連れ出す気ではなかったのだ。
 彼女が立っていた場所以外、脱出に使える窓が周囲になく、かといって彼女を突き飛ばす訳にもいかない。それで止む無く抱えて連れてきてしまったのだ。

 けれど、それ以外の方法がなかったのかと言われると実際はそうでもない。連れ出しても屋敷の庭に置いていくこともできた。

 ただ快斗がそうしなかったのは、窓から飛び出した時、一瞬少しの間でも彼女といれたらという邪な願望がよぎったからだった。

 率直にいうと一目惚れだった。快斗は彼女の名前すら知らない。目を合わせて一秒もなかった。
 我ながら単純すぎるなと、快斗は顔を引きつらせた。

「おーい、お嬢さん」
「……」
「おーい…」

 催眠スプレーの噴射が長かったのだろうか。彼女はまだ起きる気配がない。
 快斗はしばらく黙念しそれから溜息をついた。

 考えても仕方ない。
 それより、と快斗は今まで胸ポケットにしまい込んでいた今回の盗品を取り出した。それを目の前の満月に重ねる。

 ナーシェレは一瞬強く輝きを見せた。ひょっとして、と快斗は目を凝らした。しかし、残念ながら内部にもう一つの宝石の姿は見えなかった。

「これもハズレか」

 今度のはその大きさも相まってかなり期待はしていたが、やはりそう簡単にはいかないらしい。

 快斗は落胆顔で、また一つ溜息をついた。
 しかし、そこで快斗は妙な違和感を感じた。

 手元の宝石についてではない。周囲の空気が何処と無くおかしい。やけに静かだった。

 先程まではずっと彼女の寝息がしていたのに。

 ハッと快斗が振り向くと、そこには既に立ち上がり、いつ快斗に掴みかかろうかと隙を伺う彼女の姿があった。

 

怪盗一目惚れ窟←第二話 怪盗一目惚れ



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- 一気読みしました!めちゃくちゃ続きが読みたいです!待ってます! (2022年9月13日 8時) (レス) @page48 id: 08a0986ba6 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2022年2月10日 14時) (レス) @page48 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@さかなねこ(プロフ) - shibuyuさん» ありがとうございます!続き早くお見せできるように更新頑張りますね(´˘`*)! (2019年7月11日 0時) (レス) id: e45d5a1191 (このIDを非表示/違反報告)
shibuyu(プロフ) - 怪盗キッド!私も大好きなので萌えます!早く続きが見たいなー!なんてっ♪ (2019年7月8日 17時) (レス) id: 8ac4695b82 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@さかなねこ(プロフ) - くろばさん» ひゃ〜〜めちゃくちゃ嬉しいお言葉ですありがとうございますー!これからもドキドキキュンキュンしていただけるように頑張りますので楽しみにしていただければ幸いです〜! (2019年7月4日 22時) (レス) id: e45d5a1191 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒猫@さかなねこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年5月22日 2時

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