怪盗と邂逅 ページ28
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「それでもどうして私の部屋がここだとわかったの? もしかして変装して屋敷に入ってきていたの?」
「以前貴方が『四階で寝る前に月がよく見える』と言っていましたから、四階の南向きの部屋を」
その記憶力の良さにAは感心した。
キッドは窓を見て「確かによく見える」と納得したように言った。
椅子から立ち上がり、キッドは窓の方に歩み寄った。その背に向かってAは話しかけた。
「キッド、貴方は世界中を巡っているの?」
「ええ、私の求める物がある所ならば何処へでも。ですが大抵は日本にいます」
「日本? あぁ…だから日本から警察が来たのね」
キッドの怪盗歴はおろか、彼の母国も朧げにしか判断のつかないAは、大怪盗の名を持つ彼の気に障っただろうかと少し心配になったが、その必要はなかった。
それよりも気になることがあるのか、キッドは振り向いてAに問いかけた。
「旅行をしたことはありますか」
「いいえ、ちっとも。国内での遠出くらい」
それじゃあと呟いて、キッドがAに歩み寄った。
「貴方に世界をおみせしましょう」
「あら…どうやって?」
キッドは微笑むだけで答えはしなかった。
Aは、仕事で屋敷の外に出るのも稀だというのにどうするのだろうと不思議に思いながらも、Aの胸には期待が湧き上がっていた。
楽しみにしているとAが笑い、キッドは頷いた。
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恋 - 一気読みしました!めちゃくちゃ続きが読みたいです!待ってます! (2022年9月13日 8時) (レス) @page48 id: 08a0986ba6 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2022年2月10日 14時) (レス) @page48 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@さかなねこ(プロフ) - shibuyuさん» ありがとうございます!続き早くお見せできるように更新頑張りますね(´˘`*)! (2019年7月11日 0時) (レス) id: e45d5a1191 (このIDを非表示/違反報告)
shibuyu(プロフ) - 怪盗キッド!私も大好きなので萌えます!早く続きが見たいなー!なんてっ♪ (2019年7月8日 17時) (レス) id: 8ac4695b82 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@さかなねこ(プロフ) - くろばさん» ひゃ〜〜めちゃくちゃ嬉しいお言葉ですありがとうございますー!これからもドキドキキュンキュンしていただけるように頑張りますので楽しみにしていただければ幸いです〜! (2019年7月4日 22時) (レス) id: e45d5a1191 (このIDを非表示/違反報告)
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