サヨナラ初恋

＊ ページ4

でも、この気持ちに気づくのが遅かった。




気づいた時には・・・




気づいた時には、黒木君はクラブZに入っていた。




全然、会えない。




それに、KZ内でもある規則があった。









“私を女扱いしないで”









この規則を作ったのは、紛れもなく私。




自分で自分の気持ちを押さえつける規則を作ってしまったんだ。




まさか、自分が恋するなんて思ってなかったから・・・









後悔の波が襲ってくる。




どうして、この規則を作った？




どうして、あの時にこの気持ちに気づかなかった？




どうして、どうして、どうして・・・！




あの時、私が余計な事を言わなければ違っていたのかもしれない。









　









『今のKZの状態は、すごく良いんだ』









『雰囲気的にも安定している』









　









ふと、翼が言っていた事を思い出した。




今のKZは、皆が私のワガママを受け入れてくれたからあるもの。




だから私が誰のものだと言う話もなくなった。




私も、今のKZを気に入っている。









もし・・・









もし、私があの時にワガママを言っていなかったら。




今のKZはなかったんだ。




自分の気持ちにも気づけなかったかもしれない。









それと同時に、私はこの気持ちを伝えたらいけなくなっていたんだ。




だって、伝えてしまったら・・・









今度こそ、KZは解散するだろう。









それだけは防がなければならない。




・・・たとえ、この気持ちを押さえつけてでも。

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す