白銀の狼【トラファルガー・ロー】Ⅰ (ページ31)

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ドフラミンゴside

最近ファミリーに新しく入ってきた___まだ保留だが___ガキ2人。

1人はフレバンスの生き残りで珀鉛病のガキ、ロー。

ローは俺の目を真っ直ぐ見て"もう何も信じていない"と言った。

その目に嘘偽りはなかった。

10歳であんな経験しちまったんだ。

そりゃあ人格がぶっ壊れるのも無理はねぇ。

俺はローに興味を持ち、保留でここにおいた。

ローはどこか俺に似ているしな。

そしてもう1人。

ドフラミンゴ「…中々の見込みが早いなぁ、A」

『…そ、そう…ですか？』

いつもロー以外のファミリーには怯え、大人しそうなガキ、A。

俺達、ドンキホーテファミリーの存在も知らないただの一般人みたいなガキをローはここに連れてきた。

ローは"もう何も信じていない"と言っていた割にはAの事だけは信用しているように見えた。

ローがAの事を信用するようになったのは、恐らく"あの時"だろう。

"……そうやって決めつけるのよくないですよ"

"珀鉛病は珀鉛の鉛に含まれる毒によって引き起こされる病気です。調べもしないで噂を鵜呑みにして勝手に感染症って決めつけるなんて大人としてどうなんですか？…言われた人の気持ちを考えてくださいｯ！"

ローを守るように一歩前に出て、怯えていたのが嘘みてぇにAは声を上げ、そんな事を言った。

全く恐怖心を見せなかったし、あっさりジョーラを論破した時は少し驚いた。

更には…。

"……たしかに私は一般人ですし…世間知らずです"

"…じゃあ_____"

どうするんだ？そう言おうとした瞬間…。

"でも…私には行く宛てがないんです！その、私ができる事なら何でもします！だから___ここにいさせてくださいｯ！"

俺の目を真っ直ぐ見てAはそう言った。

どんな状況でも必ず生きないといけないという決意がAの目に現れていた。

そして、俺から一瞬も目を逸らさなかった。

ローより年下でここまで威勢のいい事を言うAに興味を持ち、ローと同じく保留という形でファミリーに置いた。

まぁ、威勢のいい事言ってた割には怯えてるけどな。

俺とコラソンには特にそうだ。

そんなAだが、一般人の割には身体能力が優れている。

体術、剣術、銃術の全てに才能がある。

ディアマンテ、ラオG、グラウディスから褒められるほどだ。

それに頭もいい方だ。

勉強が好きなのか暇な時は勉強している。

この年のガキならせいぜい1時間座っていられるのがやっとだろうに。