白銀の狼【トラファルガー・ロー】Ⅰ (ページ30)

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ローside

ロー「A、そろそろディアマンテの剣術の時間だから行くぞ」

『((･･*)ｺｸ』

数日前、スパイダーマイルズのゴミ処理場で出会ったAという少女。

艶のある綺麗な白い髪に綺麗な水色の瞳が印象的だ。

最初、俺に出会った時はビクビクと怯えていたが今ではそんな様子は無い。

むしろ俺に心を許しているように見える。

『…ローくん』

ロー「なんだ？」

『…手』

俺よりも一回り小さい手をこっちに差し出すA。

これは手を繋ぎたいという事か？

…断る理由もねぇしいいか。

俺が手を握ると心做しか嬉しそうにするA。

Aから犬耳としっぽが見え、犬耳がぴょこぴょこと動きしっぽはふりふりと動いているように見える…。

ロー「……ヾ(･ω･*)ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ」

なんだか可愛く見え、俺は片手でAの頭とほっぺを撫でる。

『……！ (( *´ `)"ｽﾘｽﾘ』

するとAは俺の手に擦り寄ってきた。

ロー「………」

コイツ顔にはあんまり出ないけど意外と甘えただよな。

怖い時とか俺によく俺にくっついてくるし。

まぁでも…頼られるのは悪い気しねぇしいいか。

……って今はこんな事してる場合じゃねぇ。

早く行かねぇとディアマンテの剣術に遅れる。

俺は名残惜しさを感じながらもAの頭とほっぺを撫でていた手を止めた。

ロー「そろそろ遅れるから行くぞ」

『…うん』

……今、犬耳としっぽがペタンと垂れたように見えた気が…。

普段は俺以外の奴らには怯えてるくせにAは体術、剣術、銃術になると人が変わったかのようになる。

Aが真剣な眼差しで剣術に励む姿がかっこいいなと思い、思わず見てしまう。

ディアマンテ「余所見しすぎだ！ﾃｲｯ」

ロー「痛ってぇ！」

ディアマンテ「ロー、お前はAに見惚れすぎだぞ」

ロー「はぁ！？//べ、別に見惚れてなんかｯ！//」

ロー「ただ、すげぇなって思って見てただけだｯ！」

ディアマンテ「あー分かったw分かったw ﾆﾔﾆﾔ」

ロー「〜ｯ！！」

ニヤニヤしやがってｯ！

ディアマンテ「そういやA、剣術とかやってたのか？」

『…えっ、と…ちょっとだけやってまし、た…』

…ドンキホーテファミリー全員の前で威勢のいい事言ってた割にいざファミリーと話す時は怯えるんだよな。

まぁ、俺の手を握り一歩前に出て、すごく小さい背中で俺を守ろうとしてくれたのは嬉しかったけどな。

だから今度は俺がAを守る。

俺はそう決意し剣を握る力を強めた。