白銀の狼【トラファルガー・ロー】Ⅰ (ページ29)

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ドンキホーテファミリーさんに引き取られてから数日が経った。

まだファミリーにもなっていないのにしっかりと衣食住を提供してくれるし、勉強や体術、拳銃、銃術も教えてくれた。

正直、ここまでしてくれるとは思っていなかったから少しびっくりした。

ロー「…おい、そろそろ俺の後ろにくっつくのやめろよ」

『……だって怖い…』

ロー「じゃあなんでここに入ったんだよ…」

まだローくん以外のファミリーさんとは打ち解けていないから私はよくローくんにくっついていた。

ロー「…グラディウスの銃術の時間だ。行くぞ」

そう言って私に手を差し出すローくん。

『……！うん！』

私はローくんの手を取り、ギュッ、と握った。

なんだかんだ言いながらもローくんは優しい。

ロー「…💥🔫 ｯ、！」

グラディウス「構えがなっていないぞ」

ロー「分かってるｯ！…💥🔫…ｯ、！」

グラディウス「それだと撃つ度に照準がズレる」

ストック(銃身の後ろ)を肩に当てて脇を締めて…重心を安定させる。

『…💥🔫…ｯ、！』

ん〜…やっぱりまだ撃つ時が怖くて照準がズレるな…。

ノアさんに教わってきた事をちゃんと思い出してやれば…大丈夫なはず。

集中、集中。

『ｶﾁｬ……💥🔫』

よし、上手くいった。

ちゃんと的の真ん中にも命中したし。

グラディウス「ほぉ…筋がいいな」

『Σ( ˙꒳˙ ;)ﾋﾞｸｯ』

グラディウス「初めてであの構え、そして真ん中に命中させるとは…」

『えっと…』

ロー「…なぁ、A」

『ん？』

ロー「どうやったら真ん中に当たるんだ？」

『銃を動かさずに静止させたままトリガーを引けるようになるとちゃんと当たるよ』

ロー「静止したままか…」

『ローくんトリガーを引く時に銃を上にしゃくりあげるクセがあるから両手で銃をしっかり抑えて撃つのがいいと思う」

ロー「…なるほど。ありがとな」

『どういたしまして』

グラディウス「………」

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グラディウスside

本当にコイツは一般人なのか？

一般人の割には銃の扱いに慣れている。

ローにも適切なアドバイスができる程銃の扱い方に詳しい。

いつもはロー以外の奴にはビクビクしていて怯えているのに銃を持つと人格が変わったかのように真剣な目付きになる。

まだ子供なのにここまで銃を使えるということは…誰かに教えて貰っていたのか？

グラディウス「………」

いや、余計な詮索はやめておこう。

若に言いつけられているしな。