白銀の狼【トラファルガー・ロー】Ⅰ (ページ24)

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ノアさんに渡された地図を見ながら目的地へ歩き続けた。

もうそろそろ着いていい頃だけど…辺り一面ゴミの山しかない。

どのくらい歩いたのか分からないけど流石に疲れた。

飲まず食わずで睡眠も全く取っていないからか足がふらつく。

『……もうやだ…』

大切な人(ノアさん)を失った喪失感が消えない。

このまま消えてなくなりたい。

そうすればまたノアさんに会える。

でも……。

"A…前を、むい、て…生きろ…よ！"

『………』

あの時のノアさんの言葉が脳裏にチラつく。

ノアさんに言われた言葉を胸に刻んで生きたい気持ちと、もう辛いからノアさんの元へ行きたい気持ちでごちゃごちゃだ。

……もう何も考えたくない。

眠いし寝よう。

私は汚れるのもお構い無しにゴミの山に寝転んだ。

私は目を瞑り寝ようとした時…。

ﾊﾟﾘﾝｯ

？「うわあぁぁぁ！！」

ﾄﾞｵｫｫｫｫﾝ!!

ガラスが割れる音。

誰かの叫び声。

そして大きな音。

少し気になって私は音がした方へ行った。

たしか…この辺で音がしたんだけど…。

『……！』

そこに居たのは頭から血を流した少年だった。

少年は頭を抑えながら一点を見つめ睨んでいる。

少年が睨んでいる方を見ると…。

金髪でサングラスをかけ黒いファーを着ている男の人がタバコを吸っていた。

『……ｯ、え、？』

ノ、ア…さんｯ？

いや、違うｯ…。

よく見るとその男の人は赤いフード付きの帽子を被っているしノアさんのサングラスとは違う物をかけていて着ているファーの色も違う。

金髪でサングラスをかけファーを着ていてノアさんがいつも吸っていたタバコと同じ匂いだったからノアさんに見えただけ。

……あの人がノアさんだったら良かったのに。

ちょっと残念だな。

そう思い、私はため息をついた。

？「……お前、誰だ？」

急にそんな声が聞こえてビクッ、とした。

声がした方を見ると頭から血を流した少年が不思議そうにコチラを見ていた。

『………』

あんまり関わりたくないけど、怪我をしている少年を放ってはおけない…。

どうしよう…。

？「……喋れないのか？」

『……((-ω-｡)(｡-ω-))ﾌﾙﾌﾙ』

？「……そうか」

『………』

？「………」

……き、気まずい。