白銀の狼【トラファルガー・ロー】Ⅰ (ページ17)

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ノア「よし！今日もやるか！」

『……お手柔らかにお願いします』

ノア「それは無理だな」

…そんなキッパリ言わなくても…。

私は今、ノアさんに体術、剣術、銃術を教わっている。

普段は優しいノアさんだけど稽古になるとスパルタだ。

私は一度深呼吸をし、刀を握り直してノアさんに向かって刀を振った。

ノア「正中線(頭から縦に通る左右中央の線)に沿うように身体の中心で刀を構えろ。そして切先は相手の喉元を狙え」

『……ｯ！はい！』

ノア「もっと真っ直ぐ刀を振りかぶれ」

『……ｯ！やぁ！』

ノア「違う！もっと脇を締めて刀身を上に向けろ」

『……ｯ！はぁ！』

数時間後…

ノア「一旦、休憩するぞ」

『_:( _ ́ω`):_ﾊｧﾊｧ…』

ノア「とりあえず基本的な正眼の構えはできるようになったな」

『うん…』

ノア「あと3つの構えをマスターしたら技も教えるからな！」

『……うん。頑張る』

ノア「よし！じゃあもう少ししたら銃術やるからな！」

『……うん』

体術、剣術、銃術ができるノアさんって何者なんだろ…。

職業を聞いてもはぐらかされるから分かんないんだよな…。

ノア「ストック(銃身の後ろ)を肩に当てて脇を締めろ」

『……ｯ！ﾋﾞｸｯ』

ノア「撃つたびに照準がずれてるぞ。しっかりした体制で撃て」

『……ｯ、はい！』

ノア「違う、そうじゃない。もっと重心を安定させろ」

『……ｯ、！』

数時間、剣術を教えてもらい、数分休憩した後は体術を教えてもらう。

ノア「おお！だいぶ強くなったな！」

『…この状況でよく言えるね…』

地面に伏せられ、顔面ギリギリまで来ているノアさんの拳を何とか受け止める。

こんな状況で強くなったなって言われても…。

『……ｯ、』

ノア「降参か？」

『…うん。降参』

ノア「いや〜惜しかったな」

『全然惜しくないよ…。というかもう少し手加減してほしいんだけど…』

ノア「そうしたいのは山々なんだけどなぁ〜…いざという時に自分の身を守れなかったら困るだろ？」

たしかに常にノアさんが守ってくれるとは限らないからある程度は自分の身を守れるくらいにならないといけない。

それは分かるけど…。

それにしてもやりすぎだと思う。

とてもじゃないけど7歳の子供にやらせるものじゃない。

なんなら軍隊とかに入るレベルだと思う。

ノア「いや〜！それにしてもAも成長したな〜！」

……まぁ、強くなるのは悪いことじゃないしいいか。

それにノアさん嬉しそうだし。