現実ってそううまくいかない...わけでもないんだよね～黒バストリップ～Part6 (ページ29)

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鈴村side

審判の笛が鳴り、ボールが宙を舞う。

ジャンプボールは火神。
この中じゃ1番ジャンプ力が高いから、当然なんだろうけど。

__因みに。

これが“作戦の一つ”じゃないと言ったら、嘘になる。

ボールが火神の手によって弾かれた。

ボールは俺の手に納まった。

木村「ﾁｯ」

「」←

俺のマークをしていた先輩……木村先輩(?)が舌打ちをする。

地味に傷付いたのは言うまでもない。←

そりゃあ、コースは読んでいたのに取れなかったから悔しいとは思うけどさ……!!

舌打ちって、舌打ちって…(震え声)←

『鈴村さん!!“アレ”!!見せてやれ!!』
「おうよ…」

と、タイミングが良いのか悪いのか。誠凛(ウチ)のベンチから、マネージャー…りっさんの声が聞こえたので、何とか気を取り直して、返事をした。

当の本人、影が薄いせいで全く見えてませんけどね。(高尾は見えてるだろうけど)

一度ボールをバウンドさせ、スリーポイントシュートの体制をとると、させんとばかりに高く跳ぶ木村先輩。

「( ざんねんでした)」

木村「っな」

予想通り。

3P打つと思った?思いました?(←)
違うんだなこれが。

正解は……フェイクでしたー(棒)←

木村先輩がつられて跳んだのを確認し、そこで俺は後ろに向けてバウンドパス。

……その先には、黒子。

そして黒子はゴールに向かってシュート…いや、パスを出した。

彼のボールを受けた火神が、ダンクでゴールしようとする瞬間に、器用にテーピングされた手が、ボールを弾いた。

緑間｢まったく…心外なのだよ。その程度で出し抜いたつもりか？｣

そう、緑間だ。
やっぱ、そう簡単に勝たせてはくれないか。

ちらりと俺を見て、鼻で笑っていたのは気の所為じゃないだろう。

黒子「ﾁｯ」←

「」←

俺は聞いていない。
割りと近くで聞こえた仲間の舌打ちなんて。